2022/01/17
メトロバンクグループのの投資銀行部門、ファースト・メトロ・インベストメント(First Metro Investment Corporation(FMIC))は、オミクロン株の脅威はあるものの、フィリピン経済は、2年間にわたるパンデミックとの戦いの末、2022年は6から7%の成長軌道に乗るだろうと予測しています。
FMICは、今年は、持続的な内需、弱まるインフレ、選挙のための支出、そして加速する政府のインフラプロジェクトへの支出によって、経済成長がけん引されそうだと述べています。
「現行のパンデミック、そしてオミクロン株が第三波を引き起こそうとしているにもかかわらず、フィリピンがさらに成長を加速させ、2022年には6~7%成長の軌道に戻ることに楽観的な見方をしています。」と、FMICのホセ・パトリシオ・ドゥムラオ社長は、2022年1月11日に開催されたバーチャル会見で述べています。
ドゥムラオ氏は、2021年の第1四半期~第3四半期で、フィリピン経済が4.9%成長を記録したことを受け、成長の勢いは、さらなる経済の再開、そして行動制限の緩和により、第4四半期にも波及効果を及ぼすだろうと述べています。
さらに、ワクチンが広く受けられるようになったこと、ロックダウンや隔離措置、そして行動制限の緩和を背景に、企業および消費者の信頼感もまた、慎重ながらも前向きだと言います。
アジア太平洋大学(University of Asia and the Pacific (UA&P))のエコノミスト、ビクトール・アボラ博士は、今年のGDP6~7%成長は、工業部門(建設業および製造業)がけん引すると見ています。
アボラ博士は、パンデミック対策によりホテルやレストランが打撃を受けていることから、サービス部門は依然として低迷するだろうと述べています。
「フィリピンの状況としては、回復はしてきているもの、まだパンデミック前のレベルに届くには至っていません。」
フィリピンのGDP成長率は、2020年通年で-9.5%を記録しました。パンデミック前の2019年は5.9%でした。
アボラ博士は、ビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)が、パンデミックの中、経済の回復力に貢献する主力であると言います。
しかも、以前からあるようなコールセンターだけではなく、BPOにも、保険、ライフサイエンス、医療、データ分析などの新しいセグメントが生まれており、その分野に注力する企業が増えているようです。
BPOの収益の他には、海外で働くフィリピン人労働者(OFW)からの送金も経済の底上げに役立っているようです。世界銀行は、2022年のOFWからの送金額が、ヨーロッパや米国の景気回復に伴い、5.5%ほど増加すると予測しています。
(出所:Philippines News Agency、世界銀行)
(画像:Photo by Jack Simpson on Unsplash )
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