2022/06/23
スペイン・バルセロナを拠点とするシンクタンク、フォーカス・エコノミクスは、2022年のフィリピン経済成長率見通しを平均6.9%に引き上げた一方で、消費駆動型の経済をインフレが冷え込ませる可能性があると述べています。
2022年6月21日に発表したレポートで、フォーカス・エコノミクスは、前回の予測6.7%から、国民総生産(GDP)の成長予測を引き上げたことで、今年ASEAN地域で最も急速に拡大する経済となりそうです。
「Covid-19関連の制限緩和や拡張的な財政・金融スタンス、そして政府の「ビルド・ビルド・ビルド」インフラプログラムが助けになりそうだ」とフォーカス・エコノミクスは述べています。
しかし、この最新の見通しは、政府が引き下げたGDP成長目標7~8%を下回っています。
第1四半期の予想よりも良かった8.3%を受けて、フォーカス・エコノミクスは、フィリピンの第2四半期の成長率は「引き続き、域内でも高いレベルを保つだろう」と予想しています。
「Covid-19関連の制限が緩和されたことで、個人消費が引き続き刺激されそうです。特に、製造PMI(購買担当者景気指数)は、4月、過去5年近くで最も急速な上昇を見せました。」とも述べています。
しかし、今年初めには、選挙のために公共資金を投じるプロジェクトの禁止期間があったことで、政府の支出が冷え込んだことに加え、消費者物価の上昇もまた個人消費の足を引っ張りそうだとフォーカス・エコノミクスは分析しています。
世界的な石油および食品価格の高騰が国内にも波及し、5月のインフレ率は3.5年で最も高い5.4%に達し、5ヶ月平均は、経済成長に繋がる「管理可能な」価格上昇とされる2~4%の目標範囲を超える4.1%になりました。
しかし、フォーカス・エコノミクスは、大統領に選出されたファーディナンド・「ボンボン」・マルコスJr.の経済チーム、特に、財務大臣となり財政・対外不均衡などのリスクや地方分権改革などに取り組むことになるベンジャミン・ディオクノ現中央銀行総裁に対して楽観的な見方を示しています。
マルコスJr.が選出した顔ぶれは、ロドリゴ・ドゥテルテ政権の政策を継続することを示している、とフォーカス・エコノミクスは述べています。
(出所:Business Inquirer)
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