[シンガポール] コンドミニアムなどの短期レンタルの将来

シンガポールにおける短期レンタルの宿泊施設についての記事をご紹介します。


[シンガポール] コンドミニアムなどの短期レンタルの将来


日本でも話題の民泊(宿泊用に提供された個人宅の一部、空き別荘やマンションの空室に宿泊すること)ですが、シンガポールの状況についてご紹介していきます。


Airbnbなどのプラットフォームが提供する短期利用の宿泊(STA, Short-Term Accommodation)は、世界中のステークホルダーから注目を浴びてきました。

STAの支持者は、観光客向けに幅広い宿泊オプションを提供する一方で、賃貸収入を増やすのに役立つとして、STAを歓迎してます。住宅をSTAとして利用することに反対する人々は、一時滞在者によって安全性、防犯性、プライバシーが損なわれるのではないかと心配しています。ホテル・サービスアパートのオペレーターは、事業が受けるであろうネガティブな影響を懸念しています。

STAが完全に禁止されている国々がある一方で、規制を設けることで認可する国々もあります。

シンガポールでは、現在のルールでは一般住宅に対して、最低滞在期間を連続する3か月とし、住宅賃貸契約の最低期間と定めています。STについての長々とした相談とレビューが続いたあと、都市再開発庁(URA)は、2018年4月に、STAのフレームワーク案を公開、世論を募りました。


フレームワークの主な事項:

・コンドミニアム/アパートメントなどの物件の管理会社は、敷地内でSTAを許可するためには、少なくともオーナーの80%(持ち分割合)の支持を取り付けなくてはならない。

・STAの許可は2年間とし、再度投票を取って更新しなくてはならない。

・STAとしての利用は年間90日を上限とする。

・1回につき、ユニットごとの利用者は6人を超えないものとする。

・管理会社の役割と商業的なプラットフォームのオペレータに関する規制についての提案


シンガポールのSTAの将来にこれらは何を意味する?

1.  シティエリアとその周辺にSTAが集中

この「80%ルール」は、主としてオーナー自身が居住しているような物件にとってはかなりやっかいです。というのも、典型的なオーナー兼居住者は、前述のような理由からSTAに賛同することは期待できないからです。郊外にあるコンドミニアムやアパートのほとんどには、主にオーナーが居住していますから、「80%ルール」を満たすことはできそうにありません。

しかし、収入を得るための投資目的で購入された家が多くを占めるような物件では、このルールを満たすことができるチャンスは大きくなります。こういった物件は、シティ周辺または高級エリアを含むシティに位置することが多く、こういった地域の賃貸市場は活発です。小規模の物件もまた、80%の支持が得やすいでしょう。90日の上限があるとはいえ、賃貸主はSTAを賃貸収入を増やすチャンスだと見て、物件内でのSTAを支持する可能性があります。


2.  新しいアセットクラスの登場

シンガポールにおける住宅賃貸による利回りはかなり低い傾向にあるため、投資家はSTAを投資回収を強化するための機会としてみています。物件がSTAに対して「肯定的」な場合、そういった物件のユニットを購入したいという投資家の需要は高まるでしょうし、それは売り手にとっても好都合です。このことは、STAが許可されている物件に投資家の関心が集まる、新しいアセットクラスが生まれるのではないかという疑問に行き着きます。


3.  従来の賃貸市場の強化

STAがかなりのレベルまで発達してくると、通常の賃貸に充てられるユニットの数が少なくなる可能性もあります。というのも、それらのユニットは部分的にSTAに割り当てられているからです。この影響としては、供給が減り賃料の上昇につながるかもしれませんし、賃貸供給が過剰な場合には、賃料の改善または安定化につながるかもしれません。賃貸料が魅力的になれば、今度は賃貸用の購入への投資が盛んになる可能性もあります。


STAが市場においてどのような成長を遂げるかによって、興味深い可能性が生まれてくるでしょう。

(出所:JLLStraits TimesUrban Redelopment Authority of Singapore