[アジアパシフィック]コロナで見えてくる今後のオフィスに求められるもの

2020/04/20

[アジアパシフィック]コロナで見えてくる
今後のオフィスに求められるもの


Covid-19の感染封じ込め対策の直接的な結果として、各企業には長引くテレワークの影響と仕事の生産性との関係をリアルタイムで目の当たりにしています。Covid-19感染拡大が今後のオフィスビルに与える影響を考えたときに、いくつかのトレンドが見えてきました。事業用不動産の総合不動産サービス会社JLLは、これらのトレンドが今後もの続いていくのではないかとみています。今日はその内容をご紹介していきましょう。


■フレキシブル・ワークスペースが定着、もしくはシェアを拡大

今回のCovid-19流行による大規模な在宅勤務の動きは、社会的な大実験であると見る人が少なくありません。より多くの雇用者がテレワークに対する理解を深め、在宅勤務を採用するようになる変曲点と取るのが適切かもしれません。特に、パソコンとインターネットさえあれば業務のすべて、またはほとんどができてしまうような業界または職種については、在宅勤務が主流となってくる可能性が高いでしょう。これが将来オフィススペースのポートフォリオの中でフレキシブル・ワークスペースのシェアに影響を与えることになりそうです。今後、フレキシブル・ワーキングや在宅勤務に柔軟な姿勢を取る企業が増え、フレキシブル・ワークスペースの需要にポジティブな影響を与えることになりそうです。さらに、小規模で、複数ロケーションがあるようなネットワークに目を向ける企業も増えそうです。


■ウェルネスに重点を置いたビルの需要が高まる

ビルと入居者の健康との直接的な関係に関するリサーチにより、オーナー、テナントともに、オフィスにおけるウェルネス関連の機能への関心が高まりつつあります。従業員の健康を促進するような職場設計が進みそうです。グリーンビルが地球に優しいように、これからは人に優しい健康的な職場が必要です。屋内の空気質、換気システム、その他、ウェルビーイングはもちろん、従業員の生産性を向上させるような機能が、新常識となるでしょう。アジアの都市計画には、住む人の身体、精神、感情面でのウェルビーイングを向上させるべく、環境にグリーンでより健康的なスペースが織り込まれるようになってきています。このトレンドはオフィススペースにもダイレクトに入ってくるでしょう。結果として、LEEDやWELLといったグリーン認証基準に基づいた新築のビルが見られるようになるでしょう。


■施設管理の重要性に焦点

あらゆるシーンに対応できるチームとなることが施設管理のプロに求められる資質となるでしょう。ビジネスを中断させることなく、またはビジネスの中断を最小限に抑えて、ビルがいつでも一晩で閉鎖できる状態になっているような世界から学んでいくことになります。トイレ、カフェ、会議室や電話ブースなど共用のアメニティを中心として、清掃や衛生面での責任が増え、消毒がより定常的な活動となるでしょう。病気の感染を抑えるような施設の設計や管理もまた管理会社の責任範囲として考えられるようになるでしょう。同様に、決断力のある意思決定、迅速で徹底的かつ一貫したコミュニケーションもまた戦略面で重要なカギとなるでしょう。


■事業継続計画(Business Continuity Planning)*に優先順位

緊急事態における事業の継続を確実にするための、中央集権型かつ機能横断型の対策チームが職場戦略における常設的な機能となるでしょう。緊急事態が発生した時だけに動員されるのではなく、プロアクティブに計画を立て、いかなるタイプの事件が発生しても速やかに事業継続計画を展開できるようなタスクフォースが必須になってくるでしょう。中核とな事業機能と必要不可欠な従業員のためのバックアップを維持し、事業への影響を最小限またはゼロに抑えることに優先順位が置かれるでしょう。

* 事業継続計画(BCP)とは、企業が自然災害、大火災、テロ攻撃などの緊急事態に遭遇した場合において、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための方法、手段などを取り決めておく計画のこと。(出所:中小企業庁


多くの人が在宅勤務にシフトしている今、働き方やオフィスに対する考え方が変わろうとしています。

(出所:JLL