[マレーシア] ロックダウン期間中は不動産・施設管理の優先順位高く

2021/06/14

[マレーシア] ロックダウン期間中は不動産・施設管理の優先順位高く



不動産の専門家は、マレーシアで現在行われている完全活動制限令(Full Movement Control Order 3.0)の期間中に、不動産管理、施設管理サービスを強化しないと、区分所有物件、高層住宅物件などで特に、Covid-19感染者数の増加につながる可能性があると指摘しています。


マレーシア不動産・施設管理者協会(Malaysian Institute of Property and Facility Managers (MIPFM))のアズマン・シャー・モハメッド・アリフィン会長は、区分所有物件または高層住宅開発のオーナーおよびテナントは、一つの建物に住む人数が多いために、ウイルス感染のリスクが高まると述べています。


同氏は、「誰がFMCOの期間中に建物の管理をするのか?誰もが心配に思っています。建物内には、隔離を行ってる人や陽性の人もいます。公共スペースは誰が掃除するのでしょう?何か起こったら、隣人は誰も助けてくれません。やるのは管理会社です。FMCOの間に営業ができないと、大きな問題になります。」


アズマン氏によると、マレーシア全土に、区分所有、非区分所有あわせて20,000を超える団地・建物があると言います。その多くが、不動産・施設管理会社、合同管理体(Joint Management Body(JMB))および管理組合(MC)、デベロッパーの不動産管理会社(PMC)および管理代理人によって管理されています。


マレーシア政府は、2021年6月1日から6月14日までFMCOを実施しており、必要不可欠なサービスのみが営業を許可されています。


アズマン氏は、不動産・施設管理サービスは、住宅・地方政府省により必要不可欠なサービスと認識されたものの、貿易産業省(MITI)のFMCO3.0の最新の必要不可欠なサービスリストには含まれていないと指摘しています。


アズマン氏は、現在実際されている制限からすると、不動産・施設管理会社、JMB/MC、PMCおよび管理代理人がMITIに正式に登録され認識されていない限り、承認を得るためにMITIに登録することは不可能なようだと述べています。


「MITIが、不動産・施設管理サービスの重要性を認識するまでは、マレーシア全土の20,000を超える団地・建物は、6月1日から2週間、管理もメンテナンススタッフもいない状態になる」と警鐘を鳴らしています。


「エレベータは定期的に点検が必要だし、州によってはデング熱の感染例も上がってきているので、プールエリア、プリエグラウンド、その他施設内の緑化エリアをしっかりと管理しなくてはなりません。建物が安全かつ清潔に保たれるように、警備員や清掃員の管理も必要です。これらの小さなことを見逃すと大きな問題につながります。」


「不動産・施設管理サービスを毎日実施して、建物を管理し、すべてが回るようにしておく必要があります。政府が聞き入れてくれないと、苦しむのは国民です。」とアズマン氏は話しています。


(出所:New Straits Times

(画像:Photo by Callum Hill on Unsplash)