2018/08/13
透明性の最先端ー次なるビッグな機会とは?
世界の主要な新興経済圏は、大きなスケールとダイナミックな成長とともに、不動産投資家に対して「次なるビッグな機会」を示しています。しかし、比較的透明性が低いことにより、これらの市場の多くは、成長に妨げがあり、活動が限られることでしょう。絶え間ない成長はみられるものの、中国、インド、ブラジル、ロシアといったこれらの国々は、引き続き「やや透明」区分の上位に固まっています。これらの市場がステップアップするには何が必要なのでしょうか?またその意味するところはなんでしょうか?
「透明」も射程距離内に
世界のほぼ50%の人口を占める新興経済圏「ビッグ8」(ブラジル、中国、インド、インドネシア、メキシコ、ロシア、タイおよびトルコ)は、「透明」区分のすぐ下に固まっています。この新興国のグループは、インデックスが対象とする100市場の総GDPの25%超を占めており、今後3年間で経済成長のほぼ50%を担うとされています。
よって、これらビッグ8は、今後不動産業界の多大なる機会を与えることになります。しかし、現時点では、透明性が比較的低いレベルにあるため、インデックスが対象とする100市場のうちたった15%程度の投資額と、投資家の自信および活動を減退させています。
先導するインド
インドがこのグループの中でもずば抜けており、最もインデックスの改善を見せた市場の一つとしてランクイン*しています。インドは、不動産業界を変革しようとする政府の積極的な努力の甲斐あって、今後も徐々にランキングの上位に食い込んでくるでしょう。意欲的な新しい取り組みの中でも、特に注目すべきは不動産の開発・販売規制に関する法律(Real Estate (Regulation and Development) Act, 2016で、増大する投資家の需要と密接に関係しています。
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「ビッグ8」の行方は?
これらの市場がさらなる進歩を遂げるには、引き続き法制度上の改革が必要です。しかし、その施行が強力なものであること、施行される法制度の範囲や目指すところと合致していることが必須です。施行なき法制度では、実際の変化を起こさせることはできないからです。
新しい技術がこれらの市場がグループから「抜け出す」ための可能性を秘めています。急成長中のプロップテックセクターは、従来のデータソースが欠けているような市場の課題を克服するのに決定的に重要な意味を持つでしょう。
主要ハブと地方都市の格差もまたこれらの国々の多くにおいては懸念事項です。不動産業界は、少数の容易に特定可能なゲートウェイ(例:上海、バンコク、イスタンブール、モスクワ)内に集中することが多く、成熟した商業不動産セクターおよび二次・三次市場において入手可能なデータが欠けているのです。
(出所:JLL)
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