2021/08/31
2021年8月17日、フィリピンのGTキャピタル・ホールディングス(GT Capital Holdings, Inc.)は、親会社株主に帰属する当期純利益が、前年同期の1.97億ペソ(約4.3億円)から12倍近くの26億ペソ(約57億円)となったと発表しています。
証券取引所への届け出の中で、ティ財閥率いるGTキャピタルは、4月~6月の収益が、136億ペソ(約299億円)から197%増の403.1億ペソ(約887億円)になったと報告しています。
1月~6月では、GTキャピタルの親会社株主に帰属する当期純利益は、前年の27.4億ペソ(約60億円)から143%増の66.7億ペソ(約147億円)になりました。
「GTキャピタルの2021年前半期の業績は堅調で、2019年のコロナ前のレベルの約80%まで来ています。」と、GTキャピタルのカルメロ・マリア・ルサ・バウティスタ社長は述べています。
2021年の前半期のコア利益も、32億ペソ(約70億円)から83%増の58億ペソ(約128億円)となりました。これは、メトロポリタンバンク&トラスト(メトロバンク)とトヨタ・モーター・フィリピン(TMP)の好調な業績が寄与しています。
「厳しい状況の中、グループの前半期の業績は、昨年の記録的に低いレベルから立ち直る能力が備わっていることを表しています。部門によっては、市場シェアを増やし、競争力のあるシェアを獲得できています。」とバウティスタ社長は述べています。
メトロバンクの前半期の純利益は117億ペソ(約257億円)で、対前年同期比28%増となりました。特に第2四半期の収益は30%増となりました。
一方で、TMPの連結純利益は、235%増の350億ペソ(約770億円)に、連結売上高は60%増の637億ペソ(約1,401億円)となりました。卸売販売台数は79%増の63,758台、小売と卸売を合わせた車両販売台数は51%増の139,949台となりました。
7月には、新GRヤリスの発売もありました。
「業界の成長の勢いをしのぎ、過去最高の市場シェア45.6%を達成することができました。」とGTキャピタル・オート・ディーラーシップ・ホールディングスのヴィンス・ソッコ会長は述べています。
100%子会社の不動産会社フェデラルランドは、純利益が前年同期の1.71億ペソ(約3.8億円)から243%増の5.87億ペソ(約12.9億円)となりました。建設活動を継続したこと、プロジェクトの予約が増加したことが背景です。
フェデラルランドの売上高は、前年同期の42億ペソから21%増の51億ペソ(約112億円)になりました。しかし、販売予約は91億ペソ(約200億円)から29%減の65億ペソ(約143億円)となり、不動産販売は30億ペソ(約66億円)から17%増の35億ペソ(約77億円)となりました。
GTキャピタルは、「上級~ラグジュアリー部門のレジデンシャル開発の持続的な需要などのオポチュニティ、市場で好評なプロジェクトのローンチなどを活用しています。」と説明しています。
フェデラルランドのオフィススペースの稼働率は、「業界レベル」を3.7%超えているといいます。
メトロ・パシフィック・インベストメントの連結コア利益は、前年同期の53億ペソ(約117億円)から13%増の60億ペソ(約132億円)となりました。
「2021年第1四半期の26%減からかなりの改善です。有料道路の交通量増、電力販売量増が貢献したところが大きいです。」とGTキャピタルは説明しています。
グループの保険部門であるAXA生命保険(AXA Life Insurance)は、昨年の15億ペソからやや下がって14億ペソ(約31億円)でした。連結の生命・一般保険総保険料収入は、167億ペソ(約367億円)から33%増の221億ペソ(約486億円)となり、生命保険部門がけん引したということです。
「AXAフィリピンは、年換算保険料にして32億ペソ(約70億円)の生命保険販売を2021年前半期に達成しました。前年同期は24億ペソ(約53億円)でした。一時払い保険料の商品販売が大きく伸びました。」とGTキャピタルは説明しています。一時払いの保険料の商品販売は前年同期比で96%増でした。
(画像:Photo by Alyssa Castor on Unsplash)
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