[ベトナム] ハノイの不動産市場、回復の兆し

2022/03/15


ベトナム・ハノイの不動産市場は、2022年の回復と成長に向けたいくつのも前向きな兆しを見せています。



不動産総合サービス会社サヴィルズ・ベトナムの最新の分析によると、市の中心部以外の区および郊外の市場の成長の勢いが目覚ましく、今年のオフィス、レジデンシャル不動産における主要なトレンドとみなされているようです。



レジデンシャルでは、今後の供給は、主に近隣の省の郊外エリアに位置するプロジェクトから来るとみられています。



アパートメント市場についてみると、今後、ホアイドゥク県(Hoao Duc)、ドンアイン県(Dong Anh)、タインチ県(Thanh Tri)、ザーラム県(Gia Lam)、ダンフオン県(Dan Phuong)を含む、5つの市街地のプロジェクトが、全供給の27%を占めることになります。



▼ハノイと周辺エリア(出所:WikiTravel




加えて、ヴィラやタウンハウス市場では、今後の供給のほとんどは市の中心地からかなり離れたエリアのもので、ダンフオン県、続いてホアイドゥク県、ドンアイン県となっています。



2月中旬に行われた「Property Outlook 2022: A Fresh Approach」(仮訳:2022年不動産見通し:新たなアプローチ)と題したイベントでは、サヴィルズ・ハノイのアドバイザリーサービス部門のシニアダイレクター、ドゥ・トゥ・ハン氏は、「ハノイやホーチミンといった大都市では、近隣のエリアへの投資がシフトする傾向が見られています。」とコメントしています。



ドゥ・トゥ・ハン氏は、この現象が起こる理由の一つとして、市の中心に近いエリアでの不動産価格がすでにかなり高いレベルにあり、このエリアからの収益性があまり見込めないことを挙げています。「市の中心部の外の区やフンイエン省、バクニン省、クアンニン省、ハイフォン省など周辺エリアにオポチュニティを求める投資家が増えています。これにより、都市部の値上がりの圧力を減らす形になっています。」



ハン氏はまた、投資家やバイヤーを呼び込むにあたってのインフラの重要性を強調しています。ハノイ市の計画によると、2022年、公共投資に51兆ドン(約2,625億円)超が投じられる予定で、うち30%がインフラ建設です。



ハノイ市はまた、環状線2.5、3、3.5、4、ビントゥイ橋の第2期、トゥオンカット橋といったプロジェクトに優先的に投資するだけでなく、国道の改良や強化に務めていく予定です。都市鉄道プロジェクトの完成もまた加速されています。都市鉄道により、移動にかかる所要時間が短縮され、郊外のプロジェクトと市の中心部のプロジェクトとの接続性が上がります。



オフィス市場については、サヴィルズのリサーチでは、異なるロケーションでテナントの多様性が見られると述べられています。地理的なロケーションでいうと、FIREと呼ばれる金融、保険、不動産(finance, insurance, and real estate)の分野の企業は、都心部に集中する傾向があり、一方で、製造や情報通信技術(ICT)の分野の企業は西部に集まることが多いようです。



しかし、近年では、FIREのグループに属する企業や団体が、西部の地区へと移るケースが多くなっています。



「長期にわたる隔離のあと、オフィスでの業務が再開されることで、2022年のオフィス需要と賃料の回復につながるでしょう。ICT、製造、FIRE業界が主なドライバーとなりそうです。」とサヴィルズは話しています。



リテール市場は、3年後には、中心部でさらに5,000平米ほど床面積を増やし、一部は現在の供給不足に対応する形になりそうです。西部では、ナムトゥリエム区のQMSタワーが2022年に、コーザイ区のタイセイ・ハノイ・オフィス・タワーが2024年に完成することで、10,000平米ほどの追加スペースが加わる予定です。



今年は、稼働率も改善する見込みです。大規模テナントおよび国際的なブランドの事業拡大、人々の日々の支出増大という2つの要因が主に貢献しそうです。



サヴィルズ・ハノイの商業リース部門のダイレクター、ホアン・グエット・ミン氏は、「リテールブランドは、既存のロケーションでのロックダウンや事業の混乱を恐れて、新しいロケーションにオープンすることをためらっています。しかし、化粧品、ファッション、飲食業の旗艦店の需要は増えました。」と話しています。



ホテル部門では、ロックダウン規制が2021年10月に緩和された後、2021年第4四半期よりパフォーマンスが上がりました。平均稼働率は、27%に達し、5つ星ホテルの平均稼働率に至っては31%に到達しました。平均室料も、前四半期と比較して6%増加、前年同期と比較して12%増加しました。2023年までに、合計13の新規プロジェクトが立ち上がる予定となっています。うち8つが5つ星ホテルです。



サヴィルズ・ハノイのダイレクター、マシュー・パウエル氏は、「渡航制限の緩和により、2021年、ハノイのホテル業界の第4四半期の稼働率は改善しました。急速なワクチン接種プログラムもまた、外国観光客を再び迎えるのに前向きな一歩となっています。しかし、ベトナムのホスピタリティ部門をけん引するのは、引き続き国内観光客となりそうです。」と話しています。




(出所:Hanoi Times

(画像:Photo by Di Nè! on Unsplash )