2020/05/19
[ベトナム] ホーチミンシティ2050年までに洪水リスク増大
マッキンゼーのビジネス・経済リサーチ部門、マッキンゼー・グローバル・インスティテュートによると、ベトナム最大の都市であるホーチミンシティは、経済成長にともなう急激なインフラの拡大により、洪水のリスクが高まっています。
マッキンゼーの2020年4月のレポート「Can coastal cities turn the tide on rising flood risk?/沿岸都市は高まる洪水リスクに対応できるか?(仮訳)」によると、洪水の確率は2050年までに5~10倍にもなり、何十億ドルという経済損失、インフラ上の損害につながるとしています。
同分析は、水文シミュレーション、土地利用図、インフラデータベース、損傷曲線などに基づいたものです。
首都ハノイから南へ約1,700キロにあるホーチミンシティは、昔から洪水の多いエリアでした。ホーチミンシティ―はベトナムのGDPの4分の1に貢献しています。
現在、ホーチミンシティはその面積の23%に被害を与えうる洪水リスクに対応できていますが、さらなる都市化により地盤沈下や海面上昇の潜在的な可能性があります。
これにより、2050年までに約84億USドルの不動産被害をもたらす可能性があり、現在推定されている影響額の6倍にもなると予想されています。
マッキンゼーは、洪水が起きやすいエリアから住宅やインフラを移設することも含めて、よりよい都市計画を行うことで、これらのリスクを回避する時間がまだあると述べています。同レポートでは、道路やその他重要なユーティリティが洪水被害にさらされることを減らすための投資や資金調達も必要だとしています。
プライスウォーターハウスクーパーズによると、ベトナムは、年間経済成長率5.1%で、2050年までに世界第20位の経済国になることが予想されています。
(出所:Business Mirror)
(トップ画像:Quang Nguyen vinh from Pixabay )
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