2021/05/13
[ベトナム] ホーチミン、アフォーダブルアパートの供給少
2021年第1四半期のベトナム・ホーチミンシティの不動産市場は、新規供給では高価格帯・中価格帯のアパートメントプロジェクトが大半で、手ごろ(アフォーダブル)な価格帯のユニットは少ない状態が続いているようです。
不動産総合サービス会社サヴィルズ・ベトナムの四半期レポートによると、プライマリー市場の在庫は前期比-56%、前年同期比-31%の4,900戸となりました。
グレードBが、うち57%を占めてプライマリー供給をリードしました。2区、7区、9区の新しい都市化エリアがこの78%を占めています。
四半期の販売数は2,100と、ここ5年間で最低となり、前期比-76%、前年同期比-56%となっています。主にはプライマリーの供給が少なかったことに起因します。
サヴィルズは、既存の物件内のサイズが大きめのユニットで価格も高めのものが好調だったと明かしています。
すべてのグレードにおいて価格の上昇が見られましたが、特に既存の開発物件の新しい販売フェーズでは、ユニット価格が前回の販売より6%も上昇しているものもあるようです。
平米あたり1,000ドル以下のアフォーダブルなユニットの供給がほとんどなく、今後新規供給は徐々に下がってくると、サヴィルズのアソシエート・ダイレクター、ヴォ・ティ・カン・チャン氏は予測しています。
中心地にほとんど開発できる土地がないことから、アパート価格が上がっているのだと言います。
DKRAベトナムによると、アフォーダブル・アパートメントの平米当たりの価格も、2013年から2020年には2倍の3,000~3,200万ベトナムドン(約14.2~15.2万円)になっているようです。
2021年の第1四半期には、アフォーダブル・アパートメントの平米当たりの価格は、さらに5~10%上昇しました。
ビンズオンやドンナイといった近隣の省でも、アパート価格は平米当たり3,300~4,500万ベトナムドン(約15.6~21.3万円)にまで上がったと報告されています。
2020年のプライマリー市場の供給を引っ張ったのはグレードAで、シェアの69%でした。一方で、グレードCはほぼゼロであったとDKRAは述べています。
今年の第1四半期も、グレードAがホーチミンシティのアパートメント市場を供給面でリードしており、アフォーダブルユニットの供給はほとんどなかったようです。
ホーチミンシティの不動産協会が行った調査では、2020年のアパートメント供給のうち高価格帯は70%、中価格帯が25%占め、アフォーダブルセグメントはたったの163ユニット、1%しかシェアがなかったということです。
協会のレ・ホアン・チャウ会長は、平米当たり3,000~3,300万ベトナムドン(約14.2~15.6万円)で当初売られていた物件は、今では5,000~5,500万ベトナムドン(約23.7~26.1万円)で販売されているのだと話しています。
単に高いグレードとして高い金額で売っているだけで、エンドユーザーには手が届かないのだと会長は説明しています。
ホーチミンシティ開発研究所の調査によると、2021年~2025年の市の住宅需要は、4,500万平米と推定されています。
アフォーダブルアパートメントの供給が限定的で、価格が急速に上がっているということは、アパートメントが投機目的で購入されていることを意味しています。
高価格~中価格帯アパートメントの約70%が結果として空室のままであると、同じ調査でわかっています。
(出所:Vietnam Plus)
(画像:Photo by jet dela cruz on Unsplash )
もっと詳しく知りたい方はこちら