2020/01/16
[ベトナム] サイゴン川河岸の建設規制違反プロジェクトに調査のメス
ホーチミンシティ人民委員会が建築規制に違反しているプロジェクトを発見したことを受けて、今月以降、ベトナム第2の都市、ホーチミンシティのサイゴン川沿いにある多くのプロジェクトが厳重に処罰されることになりそうです。
2017年4月18日の決定No.22/2017/QD-UBNDによると、建設工事は河岸から少なくとも30メートル離れていなければならないにもかかわらず、複数のプロジェクトが同決定に従っていないようです。すでに違反が見つかったプロジェクトには、サイゴン・リバーサイド合弁事業によるリバーサイド(Riverside)プロジェクト(13の構造物について河岸からの距離がたった7.5メートル)、ヴァン・ミン社(河岸からの距離10メートル)などがあります。
他に名前があがっているデベロッパーには、ハイ・ヴオン(Hai Vuong Co., Ltd.)、ザ・ミン・コンストラクション(The Minh Construction Co., Ltd.)、SSG JSC、ジェレシムコ・サウス(Geleximco South)などがあります。
ホーチミンシティ人民委員会の役人で構成されるワーキンググループが、河岸に接近しすぎているとされる100以上のプロジェクトを調査しています。委員会によると、このうち半数は、以前にすでに違反を指摘されていたにもかかわらず、建設工事を続行したものだといいます。
委員会によると、「建設工事の安全と安定性に影響を及ぼす、不適切な目的での、または有害な影響や地滑りを招くような土地の違法使用は、固く禁じられている」と話しています。
ワーキンググループは、デベロッパーの対策や、建設許可、プロジェクト認可などを精査し、土地規制に順守しているかどうかの評決を下すことになります。
調査対象となるプロジェクトは、9つの区にまたがっており、1区、2区、4区、7区、12区、ビンタイン区、クチ県郊外の区、ホックモン区、トゥドック区です。最終結果は、2020年1月15日にホーチミンシティ人民委員会に提出されることになっています。
ホーチミンシティ建設課によると、昨年4月までに、116の土地区画のプロジェクトが河岸にネガティブな影響を与えると判断されていました。このうち、76がすでに完成済み、13がすでに営業開始済み、残りが建設途中でした。
2017年には、ホーム・レジデンシーズ(Holm Residences)のデベロッパー、サファイアJSC(Sapphire JSC)が、サイゴン川に近い侵入禁止エリアに侵入したとして、4000万ベトナムドン(約19万円)の罰金を科されています。
川沿いに都市部を発展させるのは有利なことですが、一方で人口密度や建物の高さ、河岸からの距離を定める規則があるのは事実です。これらの規則が守られないと、交通渋滞、洪水、水の汚染などにつながる可能性があります。サイゴン川は、全長256キロ、複数の区にまたがっています。
2019年年7月までに、60件の違反が発見されています。ワーキンググループによる調査結果の提出は、昨日。結果は、別途現地の新聞で公表されることになっています。
(出所:Vietnam Investment Review)
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