2023/02/20
観光産業が回復し始めた今、ホテルデベロッパーは不動産投資信託(REIT)を活用して事業を拡大する必要がある、と不動産の専門家はコメントしています。
総合不動産サービス会社コリアーズ・フィリピンによると、ホテル資産から得られるREIT収益を、デベロッパーが海外ブランドを買収したり、事業を拡大するために活用できそうです。
「フィリピン全土でより多くの国際空港が開発・近代化されれば、ホテルREITの魅力はさらに高まるはずで、レジャー部門はフィリピンの航空輸送インフラ改善の主な受益者となるでしょう」と、コリアーズは述べています。
コリアーズは、より近代的で広大な空港は、より多くの観光客を引き付け、国中の航空輸送施設の能力を高めるはずだ、と考えています。
REITは、フィリピンの会社法および証券取引委員会(SEC)の規則に従って設立される株式会社です。主に収益を生む不動産資産や証券の所有を目的としています。
フィリピン政府は、富の民主化と不動産分野への外資誘致を目的に、2009年にREIT法を制定しました。しかし、税制上の問題や高い浮遊株比率の要件など、多くの規制が障害となって、REIT の開始は滞っていました。しかし、政府が同法の制限的な規則を緩和することに合意したため、今年中にREITが実施される可能性が出てきました。
SECは、最低浮遊株比率(MPO)要件を、従来の施行規則の要件である40%から33%に緩和しました。アジア経済の多くは最小限のMPO要件を設けており、日本、シンガポール、マレーシアなどの国はMPOが20%から30%となっています。
また、REITから調達した資金は、国内市場に再投資することが義務づけられています。
一方、観光省(DOT)によると、2022年に観光目的でフィリピンを訪れた外国人は265万人に達しました。2021年に記録した16万3,879人から1,519%増加しただけでなく、観光省が予測していた170万人を大幅に上回りました。
2022年の入国者の出身国には、米国、韓国、オーストラリアなどが含まれます。2022年10月、政府は観光部門の回復を支援するため、フェイスマスクの着用義務付けを取り下げました。2023年、観光省は外国人到着者数が480万人に達すると予測していますが、それでも過去最高だった2019年の820万人を下回ることになります。
国際航空運送協会(IATA)は、世界の航空輸送量は回復を続けており、2022年10月の旅客輸送量は2019年10月の74.2%の水準に達していると指摘しています。世界経済や地政学的な逆風にもかかわらず、IATAは2024年までにコロナ前の旅客輸送量に戻ることに楽観的な見方を示しています。
フィリピンの経済団体もまた、2023年の景気回復を牽引する分野の中の一つとして観光業界を見ています。
(出所:Philstar)
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