[マレーシア] IMF:マレーシアの2022年GDP成長予測を5.1%に

2022/08/01


2022年7月26日に公開された「世界経済見通しアップデート2022年7月(World Economic Outlook Update July 2022)」で、国際通貨基金(IMF)は、マレーシアの経済成長率予測を、前回予測の5.6%から5.1%に見直しました。



IMFの最新の予測は、マレーシア中央銀行の国民総生産(GDP)成長予測幅5.3%~6.3%を下回ります。



IMFは、世界経済の見通しへのリスクが圧倒的にダウンサイドに傾いている、と述べています。



「ウクライナ紛争などの要因で、ヨーロッパ諸国がロシアからのガスの輸入を急にストップする可能性があります。また、労働市場が予想より厳しい、もしくはインフレ予測がぶれると、インフレを下げるのが予想より難しくなる可能性もあります。」



また、「世界的な金融状況が厳しくなると、新興市場や発展途上諸国における再建の危機的状況を引き起こしかねません。コロナの感染再拡大やロックダウン、不動産セクターの危機の段階的拡大が、さらに中国の成長を抑え込む可能性もありますし、地政学的な分断が世界の貿易や協力関係を阻むこともありえます。」と加えています。



IMFは、価格上昇により世界各国で生活水準が圧迫され続けており、インフレの制御が喫緊の課題であるとも述べています。



「金融政策の引き締めには、必然的に、実際の経済コストがついてきます。遅らせれば、それを悪化させるだけです。」



「しかし、金融状況の引き締めは、金融の安定性にも影響し、マクロプルーデンスな手段を賢明に利用し、債務の削減に向けた枠組みのための改革を行うことがますます必要になってきます。」と付け加えています。



IMFは、対象を絞った財政支援が、最も影響を受けやすいグループへの影響の緩衝材となることができるが、パンデミックにより政府予算は拡大、インフレ緩和に役立つ全体的なマクロ経済的政策スタンスが必要とされていることから、そのような政策は、増税または政府の支出削減で相殺される必要があると述べています。



「したがって、エネルギーおよび食料価格への特定の影響に対応するための政策は、価格をゆがめることなく、最も影響を受けている人々に集中すべきです。」とIMFは述べています。




(出所:The Star