2023/05/18
国際通貨基金(IMF)は、物価高の影響と金利上昇、そして厳しい外部環境にもかかわらず、フィリピンの2023年の経済成長見通しを据え置き、2024年については堅調に推移すると予測しています。
IMFのミッションヘッド、シャナカ・ジェイ・ペイリス氏は、国内経済が2022年、政府の6.5~7.5%成長目標を上回る7.6%の成長率を記録したことで、パンデミックからの力強い立ち直りを示したと述べています。
今年第1四半期の国内総生産(GDP)も6.4%成長し、予測値を上回りました。
2022年10月~12月期の7.1%、2022年1月~3月期の8%よりは低かったものの、関係当局は、ベース効果と物価高が特に影響していると分析しています。
ペイリス氏は、今年第1四半期の経済成長率は予測通りで、2023年通年の成長率予測も据え置きすると述べています。
また、インフレは減速したものの、フィリピン中央銀行(BSP)は今年も金融引き締めを続けることを予想していると述べました。
物価上昇率は、今年1月に過去14年間で最も高い8.7%を記録したのち、4月には6.6%まで減速しました。
インフレ率の加速に伴い、BSPの金融政策理事会(Monetary Board)は、主要金利を合計425ベーシスポイント引き上げました。
ペイリス氏は、コアインフレ率が依然として世界的に高い状態が続いていることから、現状の政策スタンスは今年も引き締めの方向だろうと述べています。
また、国内経済の生産高は来年も堅調に推移すると見られるが、ベース効果の影響を受けることになりそうだと指摘しています。
ベース効果への対策について、ペイリス氏は、インフラなど投資サイドの改善とデジタル化および農業改革による生産性の向上に注力すべきだと述べました。
(画像:UnsplashのYannes Kieferが撮影した写真)
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