[フィリピン] Imf、フィリピンの成長見通しを6.9%に上方修正

国際通貨基金(IMF)は、2021年4月初旬、フィリピンの2021年成長見通しを、1月に行った予測の6.6%から引き上げて6.9%としました。

[フィリピン] IMF、フィリピンの成長見通しを6.9%に上方修正


国際通貨基金(IMF)は、2021年4月初旬、フィリピンの2021年成長見通しを、1月に行った予測の6.6%から引き上げて6.9%としました。世界経済の回復を考慮に入れてのことです。


IMFは、2021年4月に発表した、「World Economic Outlook」のレポートの中で、メトロマニラと周辺4州で2週間にわたって実施された厳しいロックダウンにもかかわらず、成長見通しを上方修正しました。2020年のフィリピンGDPは9.5%収縮し、第2次世界大戦以降最悪となりました。


フィリピンの成長見通しは、ASEAN-5諸国の中で最高レベルの予測です。他国の予測は、インドネシア4.3%、タイ2.6%、ベトナム6.5%、マレーシア6.5%となっています。


IMFはまた、2022年の成長見通しについては6.5%に据え置きました。ベトナムの7.2%に続いて2番目、マレーシア6%、インドネシア5.8%、タイ5.8%を超える予想です。


ASEAN-5か国全体では、4.9%の成長が見込まれています。2020年は3.4%の収縮でした。2022年については、6.1%成長を予測しています。


IMFのフィリピン常任代表ヨンジェン・ヤン氏は、マニラ・スタンダード誌のメールでの取材に対して、フィリピン経済は2020年を第4四半期の思ったより力強い成長で終えた、と表現しています。


「この勢いは、今年の回復がより力強いものになることを示しています。2021年予算における景気刺激策も増額され、経済活動を促進するでしょう。Bayanihan II法の資金の未消化分が今年投入されることと、2020年予算の繰り越し分を考慮すると、2021年の政府支出は、我々の1月のWorld Economic Outlook予測よりも高いものになりそうです。」


「しかし、成長予測は、かなりの不確定要素の上に成り立っています。特に、最近の感染者増加は、大幅なダウンサイドリスクを提起します。隔離措置を強化することは、経済活動を冷え込ませることになります。」


ヤン氏は、封じ込め策の強化やワクチン接種の加速なども含めて、現在のコロナ感染者数の急増を制御することが肝心であると述べています。


今回のWorld Economic Outlookでは、世界経済の見通しも明るくなりました。2020年は3.3%の収縮と推定されていますが、2021年の世界経済は6%成長が見込まれており、2022年は落ち着きを見せて4.4%の予想です。


2020年の収縮規模は、IMFが2020年10月に発表したWorld Economic Outlookから1.1ポイント低いものでした。ほとんどの地域で、ロックダウンが緩和されたあと、また各国が新しい働き方に適応するにつれ、年後半で予想よりも高い成長となったことが反映されています。


2021年と2022年の予測は、2020年のWorld Economic Outlookよりもそれぞれ0.8ポイント、0.2ポイント高くなっています。こちらは、いくつかの大規模経済圏における追加財政支援策と年後半のワクチンに推進された経済回復を反映しています。


世界経済成長は、中期的には3.3%に落ち着くとみられています。パンデミック以前の潜在供給力および労働力が損なわれていく予想を反映したものです。これには、先進国と一部の新興国で、高齢化による労働力の伸びの減速を含んでいます。


レポートでは、「前代未聞の政策対応のおかげで、Covid-19不況の傷跡は、2008年の世界金融危機と比べると小さくなりそうです。しかし、新興国と低所得・発展途上国はより大きな打撃を受けており、より大きな中期的な損失に苦しむと予想されています。」と述べられています。


世界銀行は2021年3月、人々がワクチンを打つことを躊躇している、政府が大規模接種をなかなか実施できないでいることが、経済回復を遅らせ、今年の経済成長率予測から1ポイントほど下げてくる可能性があるとも警告しています。


世界銀行のアジア太平洋地域担当のチーフエコノミスト、アーディットヤ・マットー氏は、オンラインブリーフィングの中で、フィリピンの経済成長率は5.5%となりそうだと話しました。この予測は、2020年12月の予測値5.9%から下方修正となりました。2022年については、6%成長を予想しています。


「フィリピンの一番の問題は、Covid-19ワクチンに対する躊躇、つまり人々の懐疑です。同様に、(政府の)大規模なワクチン接種を実施する能力もです。」


マットー氏は、中国やベトナムと言ったパンデミック以前のレベルに早期に回復した国々と比べて、「パンデミックによって深手を負っている」ので、フィリピンがコロナ前のレベルに戻るのは2022年後半になりそうだと話しています。



(出所:Manila Standard

(トップ画像:Photo by Alexes Gerard on Unsplash )