2022/11/01
IMF(国際通貨基金)は、2022年のマレーシアの経済成長率予測を5.4%に上方修正した一方で、2023年の予測を4.4%に下方修正しました。世界的な不況を懸念しています。
国際通貨基金(IMF)は、2022年のマレーシアの国内総生産(GDP)の成長率予測を、前回7月に予測した5.1%から5.4%に上方修正しました。同時に、2023年の世界経済の成り行きについて懸念を示し、マレーシアの予測を前回の4.7%から4.4%に引き下げました。
今回の予測見直しは、7月にIMFがマレーシアの成長率を5.6%から5.1%に下方修正してからわずか3か月です。2022年10月12日に発表された、IMFの「世界経済見通しレポート2022年10月(World Economic Outlook Report October 2022)」に掲載された今回の数値は、マレーシア政府の予測値6.5%~7.0%を依然として下回っています。
レポートの中で、IMFは、2023年の世界の経済成長予測も7月の予測2.9%から2.7%に引き下げました。さらに、世界のGDPが2%以下になる可能性は25%だとも述べています。
IMFは、世界経済の3分の1が今年マイナス成長になると予測したうえで、2023年も3大経済圏である米国、EU、中国が低迷を続けるとしています。
IMFは、ロシア・ウクライナ戦争の長引く影響、拡大するインフレの圧力、さらに中国経済の減速により、世界経済は依然として厳しい状況に直面しそうだと述べています。
インフレについて、今年の世界のインフレは、2021年の4.7%から8.8%に加速し、2023年には6.5%、2024年には4.1%と減速していく予測です。
インフレの影響は、特に先進諸国で広がっており、新興市場ではまちまちです。
IMFはまた、急激なドル高が新興諸国の価格に圧力を加えていることも強調しています。資本の流れが依然として回復しておらず、多くの低所得国では、過剰債務に陥っており、新興諸国は、すでに非常に厳しい外部環境に直面しています。
IMFは、「2022年ショックが、パンデミックから一部分癒えかけていた経済の傷を再び開くことになりそうだ」とコメントしています。
(出所:The Edge Markets)
(画像:UnsplashのKah Hay Cheeが撮影した写真 )
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