2021/06/21
[フィリピン] IMF:2021年の立ち直りは予想以下、来年は急回復
国際通貨基金(IMF)は、フィリピンの2021年成長予測を、6.9%から5.4%に引き下げましたが、一方で、コロナウィルスのコミュニティ隔離措置が予想より早く緩和されれば、来年は急激な立ち直りを見せるだろうと発表しています。
2021年3月からコロナウィルスの感染者数が再び増加し、厳しい封じ込め措置の実施をせざるを得なくなりました。これにより、2021年前半期の景気回復の速度が緩まるだろう、IMFのマニラ担当ミッションチーフ、トーマス・ヘルブリング氏は述べています。
フィリピンは、アジアでも最もコロナウィルスの感染に苦しむ国の一つで、感染者数は136万人近く、23,000人を超える死者を出しています。
国内総生産(GDP)は、2020年には9.6%、2021年第1四半期は4.2%の縮小となり、予想されていた以上の落ち込みとなりました。政府は、今年は6.0%~7.0%成長を目標に掲げています。
新規感染者数のピークを越え、政府は徐々に首都圏周辺の地域に貸していた制限措置を解除しようとしています。しかし、州によってはいまだ感染者数増に直面しており、まだまだパンデミックの終息を迎えるには遠そうです。
IMFは、2022年については、前回の予測6.5%を上回る、7.0%成長を予測しています。
ヘルブリング氏は、コロナウィルスの感染者数の再増加とワクチン供給不足による接種の遅れの可能性が、IMFの見通しにとってダウンサイドリスクとなっていると述べています。
政府のデータによると、6月13日時点で、フィリピンで2回のコロナウィルスのワクチン接種を受けた人は、200万人近くになります。今年接種を完了しようとしている7,000万人の2.8%程度となっています。
回復が軌道に乗るためには、国が引き続き緩和的な金融政策を取ること、政府が財政を安定的に保ち、貸出残高を伸ばしていくことが必要であると、ヘルブリング氏は述べています。
(出所:Channel News Asia、Reuters)
(画像:Photo by Avel Chuklanov on Unsplash )
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