[インドネシア] ジャカルタ不動産市場ー2022年第3四半期

2022/12/01


総合不動産サービス会社コリアーズが、2022年第3四半期のインドネシア・ジャカルタ不動産市場についてレポートを発行しています。中身を見ていきましょう。



■オフィス


パンデミックが徐々に制御されてきており、政府は近くパンデミックの終結を宣言しそうです。従業員に対して、オフィスに戻るように求める会社が増えてくる一方で、ハイブリッド型の働き方を継続する会社もありそうです。コリアーズは、オフィススペースに関する問い合わせも増えてくると見ていますが、成長の速度は緩やかなものになりそうだと述べています。オフィススペースの規模縮小の結果、空いたスペースにテナントが入るのには、まだ時間がかかりそうで、フレキシブルな賃貸プランを提示する必要が出てきたりと家主には圧力がかかりそうです。



■アパートメント


2022年初め、事業活動が再び活発になるにつれ、市場には楽観的な見方が溢れましたが、不動産市場にはまだまだ課題が残る、とコリアーズは指摘しています。不安定な世界情勢、サプライチェーンの混乱、生活費を脅かす物価の上昇など、市場に影響を与える要因があります。現状のこのような経済の向かい風は、不動産市場にも影響を与えており、今年の全体の成長は限られたものとなり、2021年と同じくらいのアパートメント販売に落ち着くのではないかとコリアーズは予想しています。




■リテール


展示会やエンターテイメント、イベントが徐々に増えてきたことで、モールへの客足も、小売店も戻ってきています。しかし、稼働率が低いモールを中心に、まだモールの入居コストに影響を与えるところまではいかないようです。これに加えて、景気の先行きの不透明さが、リテール事業に影響を与えています。燃料価格の高騰もまた、生産コスト、運転コストの増加といったドミノ効果を引き起こす可能性が大きくあります。コストの上昇は、物価にも影響を与え、購買力の減少を引き起こしそうです。



■ホテル


2022年第3四半期は、1月からで最も業績が好調となった期間でした。国内外の渡航に関する制限が緩和されたことで、企業の活動が活発になってきたからです。オフィスの活動が増えたことで、客室稼働率が上がっただけでなく、ミーティングルームの利用率も若干増えています。世界的なインフレと不況への懸念が、今年というよりは来年のホスピタリティ業界に影を落としているものの、今年のホスピタリティ業界は関係者の努力もあって、去年よりも好調となりそうだとコリアーズは述べています。




(出所:Colliers

(画像:UnsplashのMuhammad Rizkiが撮影した写真)