2021/03/01
[フィリピン] 工業、物流が不動産市場の回復をリード
コロナウイルスがもたらした公衆衛生上、経済上の課題の中、不動産コンサルタント会社サントス・ナイトフランクは、工業不動産、物流不動産が、フィリピン国内の不動産市場の回復をリードすると述べています。
2021年1月末に行われたバーチャル会見で、サントス・ナイトフランクのリック・サントス会長・CEOは、工業と物流が、2021年の不動産市場の希望の光だと述べています。というのも、Eコマースの成長とコロナウイルスのワクチン接種プログラムのためのコールドチェーン設備により、倉庫の需要が伸びているからです。
「パンデミック前にもすでに、大きな機関投資家の資金が、東南アジアの工業・物流への投資を求めていました。市場の足かせとなっているのは、供給だけです。」とサントス氏は述べています。
国内外からの多大な投資意欲を受けて、サントス氏は、このセクターが市場のシフトと不動産セクターのルネッサンスを導くだろうともコメントしています。
サントス・ナイトフランクの投資・資本市場担当ダイレクター、カッシュ・サルバドール氏は、Covid-19パンデミックが、Eコマースの成長を加速させ、倉庫の需要を引き上げたと言います。
Eコマースは、今年26%成長を遂げると推定されています。
これらの需要に対応するために、不動産資産の中には、倉庫施設として用途変更したものもあります。
サルバドール氏によると、マニラのトゥトゥバン・モールや、ケソンシティのSMノース・エドサなどが、スペースを倉庫に変更した実店舗のモールの一部です。小規模なデベロッパーは特に、どのように適応していくか、どのように安定的かつ力強い工業・倉庫需要を取り込んでいくかを模索していると言います。
サルバドール氏は、 今後完成予定のインフラプロジェクトもまた、商業不動産、特に工業・物流セクターの成長オポチュニティとなると述べています。
「工業用倉庫、物流スペースを検討する投資家がますます増えています。このセクターの資本市場はより洗練されてくるとみられています。フィリピンでの投資機会を求めるにあたって、より多くのベンチャーキャピタリストが物流・倉庫スペースを優先リストの上位に持ってくるようになるでしょう。」
賃料については、サルバドール氏は、追加供給が見込まれることから、堅調な需要にもかかわらず、2021年の価格は安定的に推移するだろうと予想しています。
(出所:Philippines News Agency)
(トップ画像:Image by EFAFLEX_Schnelllauftore from Pixabay)
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