インフレ時の海外不動産のデメリットは? 失敗しないためのポイント5つ!

2025/01/27

監修: 不動産のエキスパート 風戸裕樹


「インフレ時の海外不動産投資にはどんなデメリットがあるの?」
「デメリットに対する対策ってできるの?」

海外不動産投資を検討中の方も、海外不動産をすでにお持ちの方も、インフレ時のデメリットは気になりますよね。

この記事では、インフレ時における海外不動産のデメリット5つを不動産のエキスパートが徹底解説します。

最後まで読むことで、インフレ時の海外不動産投資のデメリットを理解し、リスクを知った上で必要な対策を検討できます。

海外不動産の投資を検討中の方、デメリットに対する対策を立てておきたい方は、是非参考にしてください。


なお、メリットについては以下の記事で説明しています。

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インフレ時の海外不動産のデメリット5つ

インフレ時、海外不動産に投資すると、以下の5つのデメリットがあります。

1.為替リスクが高まる
2.金利上昇の影響を受ける
3.流動性が低い
4.法律・規制が不透明
5.文化や言語の壁で対応が遅れる

ひとつずつ見ていきましょう。




1.為替リスクが高まる

インフレが通貨に影響を与えている場合、海外不動産を購入したり、得た収益を自国の通貨に換算したりする際の為替リスクが高まります。

海外不動産に投資する場合、外国通貨建てで取引が行われるため、為替の影響は常に存在します。

しかし、インフレが通貨の価値に影響を与えて、予想外に為替が変動すると、購入時や収益の円換算時に思わぬリスクが生じるのです。


たとえば、以下のような場合が考えられます。

①現地通貨に対して円が弱くなる(円安時)

海外不動産の購入時に円安が進むと、支払い時に必要な円が増えるので、購入検討段階で想定していたよりも投資額がかさむことがあります。

一方で、現地で得た収益を円に換算すると、円換算でのリターンが増えることになります。


②円に対して現地通貨が弱くなる(円高時)

海外不動産の購入時に円高が進むと、支払い時に必要な円が減るので、購入検討段階で想定していたよりも投資額が減ることがあります。

一方で、現地で得た収益を円に換算すると、思ったようにリターンが増えません。


〈例:100万ドルの物件を購入する場合>
1ドル=100円の時:1億円必要
1ドル=150円の時:1.5億円必要

〈例:月額家賃が1万ドルの場合>
1ドル=100円の時:100万円の収入
1ドル=150円の時:150万円の収



インフレにより、投資先国の通貨が円やその他通貨に対して急激に変動すると、大きな損失を被ることもあるので注意が必要です。

為替変動の影響を軽減するための対策(為替ヘッジ)を講じたり、収益を現地通貨のまま再投資に回すなどの対策も有効でしょう。




2.金利上昇の影響を受ける

インフレ抑制のために中央銀行が金利を引き上げると、借入金利の増加や資産価値の下落を招く可能性があります。

中央銀行の役割は、物価の安定と金融システムの安定です。

したがって、景気過熱やインフレを抑制し、経済活動のペースをコントロールするために政策金利の引上げを行うことがあります。

政策金利が上がると、住宅ローンや不動産融資が高くなるので、不動産市場全体に負の影響を与えます。

特に、金利が上昇する国での不動産投資は、自身のローンの返済負担やデベロッパーの借入コストの大幅な増加につながります。


不動産購入のためにローンを組む際には固定金利を選択するなど、金利上昇の影響への対策が必要です。

また、借入コストの増加に耐えうるような財務体質の健全なデベロッパーの物件を選ぶことも重要でしょう。




3.流動性が低い

インフレが進行している状況では、急な資金需要が発生しても、不動産の売却に時間がかかる可能性があります。

不動産市場は、一般的に流動性が低いものです。

海外にある不動産となると、さらに売却や転売に時間がかかり、即座に現金化することが難しくなります。

特にインフレが進行している状況では、現地の不動産市場の取引が停滞する可能性もあり、必要なタイミングで売却できないリスクが増えます。

現地に幅広いネットワークを持ったエージェントを味方につけると、売却や転売のプロセスを加速できるでしょう。




4.法律・規制が不透明


インフレ時には、現地政府が市場への介入を強化するなどして、予期しない制約が発生することがあります。


海外の不動産市場は、日本と比べて透明性がさほど高くありません。

総合不動産サービス会社JLLは、隔年で各国の不動産の透明性を示す「
グローバル不動産透明性インデックス」を発表しています。

これによると、ランキング対象の約90の国と地域のうち、透明性が「非常に高い」とカテゴリーされた国は全体の約8分の1ほどです。




海外の不動産市場では、現地の法律や規制により、外国人投資家に対する制限が設けられていることが多いです。


また、税制や不動産所有権に関するルールが複雑なことも多く、日本の不動産市場に慣れている方でも理解や対応が難しく思われるでしょう。




インフレが過熱すると、現地政府が市場への介入を強化し、既存の法規制の改正や新ルールの制定に踏み切ることがあります。


とくに不動産市場が不透明な国では、新たな制約ができても、その全容を把握することが困難です。


インフレによる市場の変動や政府の介入を適切に理解し対応するためには、現地の専門家とのパイプラインを作っておくことが重要になってきます。


そのためのコストや労力がかかることも考慮に入れておくと良いでしょう。




5.文化や言語の壁で対応が遅れる


インフレによって経済状況が急速に変化するとき、文化や言葉の壁により、不動産市場の動向を迅速かつ正確に把握・予測できないことがあります。


海外不動産投資は、文化や言語の面で国内不動産取引と比較すると、意思疎通や取引が難しいものです。


平常時でも、コミュニケーションの速度が期待通りでない、言いたいことが伝わりにくいなどプチストレスを抱えることがあります。


このような文化や言語の壁は、インフレによる急速な経済状況の変化への対策不足や対応遅れのリスクを高めます。


特に、新興市場や発展途上国では市場の透明性が低いため、対策不足や対応遅れが誤った投資判断につながる可能性もあります。


現地の事情に詳しい日本人エージェント、もしくは日本人との取引に慣れた現地エージェントを見つけておくと安心です。


そのエージェントが、現地の情報をいち早く入手できるネットワークを持っているかも重要と言えるでしょう。





まとめ


今回は、インフレ時の海外不動産のデメリットについて、以下の5つのポイントをご説明しました。


1.為替リスクが高まる

2.金利上昇の影響を受ける

3.流動性が低い

4.法律・規制が不透明

5.文化や言語の壁で対応が遅れる




インフレが通貨に影響を与えている場合、海外不動産を購入したり、得た収益を自国の通貨に換算したりする際の為替リスクが高まります。


インフレ抑制のために中央銀行が金利を引き上げると、借入金利の増加や資産価値の下落を招くことがあります。


不動産は流動性が低いので、インフレが進行している状況では、急な資金需要が発生しても売却や転売に時間がかかる可能性も考慮しましょう。


インフレ時には、現地政府が市場への介入を強化するなどして、予期しない制約が発生することがあります。


インフレによって経済状況が急速に変化するとき、文化や言葉の壁が、不動産市場の動向把握・対応の遅れや投資判断の障害になることも覚えておきましょう。



このように、インフレ時に海外不動産を購入・保有することは、デメリットも抱えています。


為替や金利など自分でコントロールできないものもありますが、まずは事前にリスクを知っておくことが重要です。


現地に精通したエージェントなどを通じてタイムリーな情報収集に努めることで、リスクの軽減を図りましょう。





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