[ベトナム] インフラがホーチミンの不動産市場を押し上げる

2022/03/22


2022年のホーチミンシティの不動産市場は、期間中に完成または開始する数々のインフラプロジェクトを背景に、力強く発展を遂げるとみられています。



プロジェクトの多くは、接続性の改善や渋滞の緩和を目指しています。



代表的なものが、トゥドゥック・シティのアンプー交差点です。この交差点は、3本の幹線道路(ホーチミンシティ-ロンタイン-ダウザイ高速道路、マイ・チー・トー通り、ルオン・ディン・クア通り)が交わり、常に交通渋滞に悩まされています。週末や祝日がピークで、ドンナイ省やバリア・ブンタウ省へ向かう人々で混雑します。この交差点に、4兆ドン(約210億円)をかけて、3層構造の道路と2つのトンネルが建設されます。



他には、ビンチャイン県の国道50号線の拡幅工事もあります。



ミ・トゥイ交差点の工事は今年完了予定で、カットライ港周辺の交通渋滞や事故の削減と貨物の輸送能力の増強が期待されています。ヴォ・チ・コン通り、ドン・ヴァン・コン通り、そしてグエン・ティ・ディン通りの交わるアンプー交差点から3キロほど離れた場所にあり、2016年に始まった工事には、第1期に8,400億ドン(約44億円)、第2期に1.4兆ドン(約73億円)が投入されました。



ホーチミン市の交通運輸局のディレクター、チャン・クアン・ラム氏は、ベンタンとスオイティエンの間のメトロ1号線の完成させること、営業運転を開始すること、そして2号線の工事に着手することの3つのタスクをタイムリーに行っていく努力がされていると話しています。



市内のインフラが整備されることで、不動産価格の上昇が予想されています。



不動産デベロッパーのノバグループの副理事、グエン・タイ・フィエン氏は、Covid-19パンデミックは市場の発展における大きな障害だが、インフラ投資が今は市場を押し上げていると話しています。



不動産コンサルタント会社、CBREベトナムは、今後2年間で供給が回復し、2022年単独では22,000戸近くの新築物件が発売されると予想しています。これには、1区のグランド・マリーナ・サイゴン(Grand Marina Saigon)やグランド・マンハッタン(Grand Manhattan)、トゥ・ドゥックシティのメトロポール(Metropole)、マステリ・センターポイント(Masteri Centre Point)、9ステラーズ(The 9 Stellars)など既存のプロジェクトの後続フェーズがあります。



また、マーケティングキャンペーンや予約も開始しているようです。



プライマリー市場の価格は、郊外のプロジェクトがより高いセグメントへと移行するようになってきたら、徐々に上がってくるものとみられています。しかし、市内の価格が高く、利用できる土地も少ないことで、ビンズオン省、ドンナイ省、ロンアン省といった近隣エリアへと需要が逃げる可能性もあるとCBREは述べています。



CBREベトナムの上級ディレクター、ズオン・トゥイ・ドゥン氏は、「Covid-19を受けて、顧客の好みは変化してきました。テクノロジー、インフルエンサー、ステイケーションといった新しい特徴も出てきています。加えて、Z世代やミレニアル世代からの不動産市場への関心が増えてきています。これらの世代が、ハイエンド、またはそれ以上のグレードの主な購入者であり、今後もその傾向が続くでしょう。」と話しています。



CBREは、この傾向について、これらの世代のニーズを徹底的に把握して、適した商品を提供していく必要があると提言しています。また、国際線の再開、ビジネスの通常営業再開、そして持続的な住宅需要が、不動産物件の価格と取引率を維持することに貢献するだろうと述べています。



(出所:Vietnam Investment Review