[フィリピン] 観光省、インバウンドの活性化に向けて国際MICEイベントに注目

2023/06/05


マニラやセブ島では、国際会議やカンファレンスが数多く開催され、観光関係者は国内の入国者数の増加につながることを期待しています。



今のところ最大のものは国際ロータリーの年次大会で、2028年6月3日から8日まで、世界貿易センター、モールオブアジアアリーナのSMXコンベンションセンター(SMXCC)、フィリピン国際コンベンションセンター(PICC)の3会場で、世界中から25,000人以上の会員が集まる予定です。



第119回となる国際ロータリーの大会がマニラで開催されるのは初めてです。国際ロータリー会長のジェニファー・ジョーンズ氏は、マニラの多様で活気ある文化が同組織の世界的なモザイクを反映しているとして、大会参加者が集まるのに理想的な都市だと述べました。



観光省(DOT)のクリスティーナ・ガルシア・フラスコ長官は、フィリピン人のおもてなし精神、優れたサービス、受賞歴のあるビーチや自然、遺産などの観光地、そして多様性のとんだフィリピン文化が、ゲストに思い出に残るような没入体験を提供することができるだろうと述べています。DOTは、2023年に約480万人の海外旅行者を誘致し、2028年には1150万人に達することを目標としています。



さらに、フラスコ長官は、フィリピンが「国際会議、インセンティブ、会議、展示会(MICE)において、アジアで最も好まれる目的地の1つとしての主要な地位を取り戻すことに照準を合わせている」とも述べています。



MICEロードマップの下、観光局は2030年までにフィリピンを国際会議・コンベンション協会(ICCA)の世界ランキングでトップ10のMICEデスティネーションに位置づけることを目標としています。



DOTのマーケティング部門であるフィリピン観光振興委員会によると、今年の他の主要な国際MICEイベントとしては、以下のものが予定されています。


・7月31日から8月にかけて:Worldchefs Asian Presidents Forum(250名)

・9月4日から9日まで:第20回アジア太平洋化学工学連合会議(1,000名)(SMXCC)

・9月7日~14日:国際物理学生会議(400名)

・9月25日~26日:第11回アジア子宮内膜症会議(1,000名)(Marriot Grand Ballroom)

・10月17日~20日:第6回アセアン眼科学会大会(2,000名以上)(SMXCC)

・10月16~19日:第6回国際米会議(1,500名)(フィリピン国際コンベンションセンター)



また、6月29日から7月1日までセブ島ラフグのウォーターフロントホテルで開催される「アジアサミット&不動産エキスポ」(500名)などの展示会や、6月6日から10日までセブ島のシャングリ・ラ マクタン リゾート&スパで開催されるGSLカンパニー(130名)、6月14日から18日までと21日から25日まで同じくセブ島のJPark Island Resortで開催されるヤクルト(400名)などのインセンティブ・ツアーも予定されています。



さらに、フィリピン中央銀行(Bangko Sentral ng Pilipinas、BSP)は、9月12日から15日までPICCで金融包摂連盟(Alliance for Financial Inclusion)と共催する2023 Global Policy Forumに約800人の参加者を見込んでいます。BSPは、代表者のツアーに関連して、フィリピン観光会議、フィリピン・ツアーオペレーター協会、Rajah Travel Corp.と提携しています。



DOTは、6月までにMICE観光戦略アクションプランを完成させ、MICEロードマップ2030の目標達成に向けたプロジェクトを実施する予定です。



観光関係者や他の主要政府機関とともに策定されたロードマップは、2030年までにMICE収入を250億ペソ(約625億円)に増加させること、MICE産業の総付加価値(GVA)を14億ペソ(約35億円)に引き上げること、MICEのGVAを国内総生産の0.01%に引き上げること、会議あたりの参加者の支出額を19%に改善することを目標としています。



DOTはまた、2018年に発表された当該ロードマップの下で、使用可能な展示スペースが2017年の約71,000平方メートルから2030年までに約171,000平方メートルに拡大し、MICE入国者数が年間3%増加することを見込んでいます。



(出所:Business Mirror

(画像:UnsplashのProduct Schoolが撮影した写真 )