2020/07/03
ライブセミナー:INVESTigate(シーズン1、第1話)
「過去のパンデミックから学ぶ、コロナ禍の今は不動産投資に適しているのか」
2020年4月16日放送
ゲスト:早水和徳氏
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■コロナ禍の日本における現在の経済環境は?
― 不動産について言うと、前代未聞のことで今後の見通しが立たず、2020年3月末にはかなりの量の取引が延期になったり、取りやめになったと聞いている。機関投資家のお金は集まっている場合はほとんどで、価格が下がるような場面はオポチュニティとみなす人も多く、機関投資家のマーケットは冷えていない。今後数か月は、金利も下がっているので、金利にセンシティブな不動産マーケットとしては買い場かなと考える。
デット市場の環境はよくない。不動産のバリューが下がっているので、おそらくLTV(ローン・トゥ・バリュー)が減るという状況になってくる。一般の投資家が投資するような物件については、不動産投資に関する融資を引き締めていこうという流れがあったところに、コロナがやってきたという状況。
■経済の今後の予測は?
― コロナは大変なウィルスではあるものの、数年単位で影響を及ぼすものではないと考える。必ず普通のマーケットに戻ってくる。不動産マーケットについて言えば、不動産会社は体力をつけているので、あまり影響はないのではないか。需要面が落ちこむだけで短期間の影響に留まるのではないか。
■今が投資のタイミングなのか
― 国内については、一時的に取引が流れたりしている案件があるが心理的なもの。オポチュニティはそういうところにあるので、こういうものを狙っている人も多い。融資の付きやすい人、資金的に余裕のある人にとっては国内のチャンスは大きい。
海外については、アメリカを中心とした先進国は、歴史的な低金利。このような状況はしばらく続くと思う。高く売れないので売り物件を引っ込める人も多く、物件があまりマーケットに出ていない。各機関がロックダウンで閉鎖しているので、取引ができない。しかし、低金利がしばらく続くので、再開すれば買い手の意欲は戻ってくる。売り手の心理状態、財政状態との見合いで取引が成立していくと思う。極端な上下は予想できない。
アジアを中心とした途上国は、コロナで成長率が下がると思うが、若い人口の多い国が多いので、長い目でみれば取引も戻ってくる。
■今どこに投資したらいいのか
― 長期的、アメリカ、アジアは時間がかかるけどマーケットも戻り、為替も平準化してくるはずなので、長期の資金を振り向けるにはいい機会。短期的は短期で売り急ぐ人も出てくると思うので、オポチュニティがあるのではないかと思う。
US-REITでは大きな価格の変動が起きていて、商業系のREITは傷んでいる。J-REITについても、ホテルと商業系がかなり売られている。オフィス、レジデンシャルも売られてきているが、賃料が下がるスピードは遅行してくるので、今は安くなっているという感覚がある。REITは、小口でできるし、個々の物件を見るよりも良い。
■このタイミングで投資する際の心構え
― 不動産投資の原点に立ち返り、何をすれば収益が上がってくるかの洗い出し、整理するいいタイミングだと思う。
注意して見ている指標は、不動産マーケットの成功指標と言われるJ-REITの東証REIT指数。今は底に近いという感覚がある。
■質疑応答
◎コロナが終息したらどう動くか?
完全に終息するというのは難しいと思う。観光セクター、店舗系はこれからどこまで厳しくなるか注意しなければいけない。旅行やショッピングが復活してくれば逆にチャンス。
◎不動産市場の底打ちはどう確認する?
REIT指数は押さえておくべき。不動産取引は1個1個違うので、一般的に今が底かはわからない。自分の納得感のあるところで買いに入るのが一番。情報を集めたうえで、納得感のあるポイントを見つけていくのが良い。
◎ASEANで不動産の賃貸需給が一番早く復活しそうなところはどこか。
アジアは当然にどんどん成長していくので、どこでもいい。間違いないのはフィリピンで、若い人口、英語、法律、などのバックグラウンドがある。ベトナム、マレーシア、カンボジアなどについては、為替の問題があるのでトータルのバリューはわからないが、成長は間違いない。
◎デベロッパーや不動産仲介業の倒産リスクについてどう思うか。
デベロッパーについて、リーマンショックと異なるのは公的なサポートがあること。大手デベロッパーがつぶれるようなことは100%ない。中小についても、小口の融資がついてるものについては売れている。すぐにつぶれることはない。
仲介業については、3月末に本来であればあるはずだった取引が流れているので今は厳しい状況。夏以降、秋ぐらいに取引がある程度復活してくるはずなので、それまで何とか耐えていかないといけない。
不動産賃貸業に対して公的サポートがない。飲食や観光などへのサポートがメインだが、賃借人のビジネスがうまくいかないと賃貸業も厳しい。金融機関や公的機関には伝わっていない。
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