ミャンマーの投資環境と新規プロジェクト2018年(1/2)

ミャンマーの投資環境と新規プロジェクト2018年を2回に分けてご紹介します。(1回目)

ミャンマーの投資環境と新規プロジェクト2018年(1/2)

 

ミャンマー

ミャンマー連邦共和国、通称ミャンマー/ビルマは、東南アジアのインドシナ半島西部に位置する共和制国家。独立した1948年から1989年までの国名はビルマ連邦。ASEAN加盟国、通貨はチャット、人口は5,290万人(2016年、世界銀行より)、首都はネピドー(2006年まではヤンゴン)です。

南西はベンガル湾、南はアンダマン海に面しています。南東はタイ、東はラオス、北東と北は中国、北西はインド、西はバングラデシュと国境を接しています。インド東部とミャンマー南西部はベンガル湾をはさみ相対しています。

多民族国家で、人口の約7割をビルマ族が占め、ビルマ語が公用語です。他に、カレン族、カチン族、カヤー族、ラカイン族、チン族、モン族、ビルマ族、シャン族、北東部に中国系のコーカン族などの少数民族がおり、独自の言語を持つ民族も多くいます。

(出所:Wikipedia


ミャンマーの歴史

1824年から1937年まで、ミャンマーは100年以上イギリス領インド帝国の一州として、その後は独立した植民地となったあと、1948年にビルマ連邦として独立しました。1962年、軍事クーデターにより社会主義政権が成立してからは、主要産業の国有化など、社会主義的な経済政策がすすめられるようになりました。1988年には、当時の政権に反対した民主化デモにより社会主義は崩壊し、デモを制圧した国軍がクーデターにより政権を握りました。軍事政権は社会主義政策から経済開放政策に転換しましたが、民主化運動の弾圧などで国際社会の非難を浴びることになります。しかし、2010年には、新憲法のもとに総選挙が行われ、民政移管が行われました。2015年11月には民政移管初の総選挙が行われ、アウン・サン・スー・チー率いる国民民主連盟(NLD)が圧勝しました。NLDは党首のアウン・サン・スー・チーの大統領就任を要求したものの、ミャンマー連邦共和国憲法の規定と国軍の反対によってそれはかなわず、次善の策としてスー・チー側近のテイン・チョーを自党の大統領候補に擁立しました。ティン・チョーは2016年3月10日に連邦議会で大統領候補に指名され、3月15日には正式に大統領に選出、3月30日には連邦議会の上下両院合同会議で新大統領就任式が行われました。ミャンマーで文民大統領が誕生するのは54年ぶりで、半世紀余に及んだ軍人(及び軍出身者)による統治が終結。さらに、NLD党首のアウン・サン・スー・チーが国家顧問、外務大臣、大統領府大臣を兼任して政権の実権を握ったことにより、新政権は「事実上のスー・チー政権」と評されています。民主化とともに経済開放がすすめられ、政府も税制優遇措置の導入や経済特区の創設など、外資導入に向けた環境整備が進められてきました。

(参照:Wikipedia

ミャンマーの経済

社会主義政策から、軍事政権下では欧米諸国による経済制裁で、ミャンマーの経済は停滞してきました。しかし、2011年民政政権が成立し、2012年以降、欧米諸国が対ミャンマーの経済制裁を緩和し始めてから、ミャンマーは有望な投資先として注目を集めるようになり、ミャンマーの景気拡大もぐんと加速しました。IMFの発表によると、ミャンマーの経済成長率は、2010年で5.35%、その後、2012年からは4年連続で7%以上の高成長を見せました。特に2013年は8.4%という高水準を記録しています。
好調な景気にともない、内需も拡大し、ミャンマーで人気の日本の中古車の需要が激増しました。従来、日本の中古車の主要輸出先は、ロシア、アラブ首長国連邦、ニュージーランド、チリでしたが、2014年にはロシアを抜いて、最大の日本の中古車の輸出先となりました。自家用車の急増にともなって、交通渋滞が増えてきています。スマートフォンの普及も急速に進みました。また、外資系企業の進出増加を受けて、ヤンゴン市内では新たなオフィスビルやホテルの建設投資なども盛んになりました。しかし、2016年、2017年の成長率は、6%前後にとどまっています。2016年10月には、米国政府がミャンマーに対する経済制裁を解除して、欧米企業の進出が増えるという楽観的な見方もありましたが、2017年に入って企業が政府の経済政策が不透明だという厳しい見方が広がったこともあります。2016年の天候不良や洪水にともなう農作物の輸出減少や新政権樹立に際して、いろいろな手続きに遅れがあったことも挙げられるでしょう。2018年は、海外からの投資資金の流入や、公的なインフラ投資の拡大によって、成長率も7%台を回復する見込みだといわれています。

 
ミャンマーの不動産市場 

Myanmar Times紙は、「2018年の不動産市場の予想トップ10」として、以下のように報じています。

2017年、市場について様々な意見がありましたが、2018年はオフィス市場と産業市場において成長がみられるだろうと不動産リサーチ会社コリアーズ・インターナショナルは言います。
ヤンゴンは、供給が少ないこともあって、不動産開発においてはまだ初期の段階にあり、レート変動もよくあることです、とコリアーズ・インターナショナル・ミャンマーのダイレクター、トニー・ピコン氏は言います。実際、逆風にもかかわらず、オフィス市場においては成長がみられ、賃料レベルも競争力が出てきています。2017年も、リテール、サービスアパートセクターにおいては健全な稼働率でしめくくりました。「このトレンドは2018年も続くと予想しており、特に産業市場が堅調となるでしょう。迅速な改革と、さらなる経済自由化が必須で、それにより不動産セクターはさらなる高みに押し上げられるでしょう。」とピコン氏は言います。

コリアーズ・インターナショナル・ミャンマーは、2018年のミャンマー不動産セクター予想トップ10を以下のようにまとめています。

1.リテール娯楽がより突出
現代的なリテール施設が成功し、競合は競ってユニークなものを採用しようとするでしょう。娯楽的な要素や家族向けのレクリエーション以外に、コリアーズ・インターナショナルはデベロッパーに対してテナントミックスで、より幅広い顧客基盤をとらえることを推奨しています。例えば、健康・ウェルネス(フィットネスセンターやスパ、外来クリニック、その他ヘルスケア関連のサービス)のテナントを建物に取り込むなどです。

2.銀行、住宅モーゲージの信用を高める
2018年、コンドミニアムデベロッパーが銀行とのパートナーシップを組む例が増えるでしょう。新コンドミニアム法にもとづくバイヤーの法的保護などの保護策ができ、銀行は住宅モーゲージプログラムの多様化を図るでしょう。コリアーズ・インターナショナルは、銀行に対し、よりリーズナブルなモーゲージ条件の提供と、ハイエンドプロジェクトだけではなく、下のランクの開発物件とも提携するよう提案しています。

3.産業セクターが主役
中国、ベトナム、その他アセアン近隣国での人件費の上昇と、米国が経済制裁を解除したことで、衣料品産業がミャンマーに戻ってくるでしょう。日用消費財(FMCG)産業と物流会社は、ミャンマーの地理的、人口統計的なポテンシャルを見込んで、ミャンマーという国を新しい目で見るでしょう。短・中期的には、インフラは十分でないことは理解していますが、我々はデベロッパーに対し、余力としての発電機の供給はもちろん、土地整備にさらに注力するよう常に求めています。

4.リース用の小規模サービスアパート出現
基本的でなおかつ機能的な設備を備えた、比較的リーズナブルな賃料のサービスアパートが、小規模であったとしても、勢いを増してくるでしょう。リース専用のアパートメントは、賃貸用の小規模コンドミニアムユニットの競合が比較的少ないことも手伝って、今後成長が見込まれるでしょう。さらに、中期的に供給が限定的なこともまた、多くのデベロッパーに機会を与えるきっかけになりそうです。

5.レジデンシャルの賃料利回りが下方修正
レジデンシャルの賃料は下方修正されるとみられています。これにより、収益還元率は、過去3~4年に記録された18~22%と比べると、1ケタ台後半にとどまるとみられています。
一方で、利回りは地域的には競争力のある状態が続くでしょう。投資家の皆さんには、物件選びの際にはよく注意して、賃貸ポテンシャルの高い商品やロケーションを選ぶようにアドバイスしています。

6.北部の原動力、マンダレー市への関心が再浮上
ミャンマーの中核のハブと最後の王都として、マンダレーはミャンマー北部の原動力となっています。複合用途の開発が、マンダレー市では魅力的なコンセプトとされており、他のデベロッパーも便乗しそうな勢いです。高額プロジェクトが近く発表されることになるかもしれません。
 
コリアーズ・インターナショナルは、デベロッパー各社に対し、暮らしの質を高めるようなサテライト・コミュニティーの設計を勧めています。商品としては、高級な土地付きレジデンスの方向に向かうでしょう。これには、クリティカルマスに達するだけのリテール設備も兼ね備えている必要があります。

7. オフィス賃貸、競争の激しい状態が続く
オフィス環境をアップグレードしようとするテナントが増え、よりよいオフィススペースに移転する動きが顕著になるでしょう。コリアーズ・インターナショナルは、2018年新規供給が減る中、賃料は引き続き競争力の高い状態が続くだろうとしています。
 
経済政策の透明性が高まり、改革が迅速に進めば、ビジネス拡大だけでなく、新しく市場参入しようとする者にとっても刺激になるでしょう。コリアーズ・インターナショナルは、家主に対して、リース条件を有利なものに保つだけでなく、建物の品質に見合った適切な賃料提示をするようアドバイスしています。

8. 基本グレードのアパートメントへの関心高まる
低グレードではあるものの現代的なアパート・コンドミニアムの売り上げが伸びる予感です。大規模のプロジェクトは工事の遅れなどの問題となる中、小さめの規模で価格もよりリーズナブルな、基本的だけれどモダンな物件に対するバイヤーの信頼が高まりそうです。
コンドミニアム法の完全施行が、今年需要を引き出すことになりそうです。しかし、値ごろ感についてはいまだ問題が残ります。コリアーズ・インターナショナルは、デベロッパーに対し、用地選びが重要であり、理想的には、ヤンゴン郊外の新しい、手ごろな開発用地を勧めています。適切な価格設定がされたこれらのエリアで、中間グレードのサテライトコミュニティーの提供を工夫するのが、実行可能な戦略でしょう。

9. 現代的なアッパースケールのホテルへの優先傾向
現代的なアッパースケールのホテルが時代遅れなホテルに対して好まれる傾向にあります。高品質なアメニティやファシリティが、ホテル体験面での全体的な価値を高めて、ホテルゲストには大きなアピールポイントになります。こういった特徴は、ホテルオペレータがビジネス用や外国人観光客のレジャーの枠を超えて、ファンクションや法人向けのセミナー、記念日やイベントなどにまで市場の幅を広げるチャンスも与えます。

10. デベロッパーは、リゾート地としてミャンマー南部に目を向ける
ミェイクの島々を目指し、リゾートやレジャー施設などの商業的な可能性を探るデベロッパーが増えるでしょう。800を超える手付かずの島々を抱えるこの地域は、富裕層の旅行客を引き付ける要素となります。初期は、インフラストラクチャーが課題となるので、発電機が金銭的には負担になりますが必要でしょう。コータウンも同様に、近隣の島々への旅行などを提供するホテルには魅力的な出発点となるでしょう。
 

新コンドミニアム法

以前は、外国人はミャンマーでは自分の名義でコンドミニアムを購入することが出来ませんでした。ミャンマー人名義を使って外国人が購入するケースも見られたようですが、いろいろとトラブルもあったようです。しかし、2016年に新コンドミニアム法が、また去年の11月にはコンドミニアム法の施行規則が発表されました。これによると、6階以上の建物で、0.5エーカー(1,858㎡)以上の物件において、一つの物件につき40パーセントまで、外国人の名義で所有できるようになりました。外国人に対して市場が開かれたことにより、外国人によるコンドミニアム購入が活発になり、ミャンマーの不動産業界に活気を取り戻すことが期待されています。


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