ミャンマーの投資環境と新規プロジェクト2018年(2/2)

2018/06/11

ミャンマーの投資環境と新規プロジェクト2018年(2/2)


ミャンマー不動産関連ニュース
Myanmar Business Today紙より、ミャンマーの不動産関連ニュースで4月以降のものをいくつかご紹介しましょう。


■ヨーマストラテジック、パートナーとともにペニンシュラ・レジデンシーズ・ヤンゴンの発売開始
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2018年3月26日、ヨーマ・ストラテジック・ホールディングスは、提携するファースト・ミャンマー・インベストメント(FMI)とホンコン・アンド・シャンハイ・ホテルズ(HSH)とともに、ペニンシュラ・レジデンシーズ・の販売開始を発表しました。

ヤンゴン・ダウンタウンの歴史的なエリアにあるペニンシュラ・レジデンシーズ・ヤンゴンは、高級プライベート住宅96戸が約10エーカー(約40,470㎡)のヨーマ・セントラル開発地に収められています。プロジェクト完了は、現時点では2021年に予定されています。

ペニンシュラ・レジデンシーズ・ヤンゴンは、ヤンゴン最古かつ市民から大事にされているコロニアル時代の建物のひとつ、旧ミャンマー鉄道会社本社を修復した場所に入る5つ星高級ホテル、ペニンシュラ・ヤンゴンとともに、総合不動産開発物件であるヨーマ・セントラルに入ります。加えて、グレードAのオフィスタワーが2棟、ビジネスホテル1軒もあり、これらはリテールが入る低層階部分で繋がっています。

ペニンシュラ・レジデンシーズ・ヤンゴンは、26階建て、2ベッドルーム、3ベッドルーム、4ベッドルーム、、ペントハウス、テラスペントハウスの部屋タイプがあります。居住者は、屋外プール、フィットネスセンター、スチーム・サウナ、ヨガスタジオ、キッズゾーン、ファンクションルームを含むプライベートアメニティーはもちろん、グルメレストラン、他では見られないようあすばらしいレジャー施設と高級リテールブティックを楽しむことができます。

ペニンシュラ・レジデンシーズ・ヤンゴンは、ミーヤタ・デベロップメントと、世界最古のホテルグループかつペニンシュラホテルを運営するHSHとの共同開発です。ミーヤタ・デベロップメントは、ミャンマーおよび世界的にも有名な会社のジョイントベンチャーで、ヨーマ・ストラテジック(48%)、FMI(12%)、三菱(30%)、国際金融公社(IFC)(5%)、アジア開発銀行(5%)
 


■ニューヤンゴンシティ、ヤンゴン川の西側に建設予定
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ピョー・ミン・テイン・ミャンマー連邦共和国ヤンゴン地域首相は、2018年3月31日、ニュー・ヤンゴン・デベロップメント・カンパニー(NYDC)のローンチを発表しました。NYDCの目的は、ヤンゴン川西の土地開発によって、経済成長、住宅、就業機会を創出しようというものです。この開発は、ニュー・ヤンゴン・シティと呼ばれる予定で、完成するとシンガポールの2倍の面積になるとされています。

NYDCは、特別会社法に基づいて設立され、ヤンゴン地域政府単独出資です。開発第1フェースのインフラ関連工事は、15億USドルに上るといわれています。これには、5つのタウンシップ、橋2本、26キロにわたる幹線道路、10平方キロメートルの工業団地、発電所、送配電施設、浄水設備と汚水処理施設が含まれます。

ヤンゴンは現在、ミャンマーの経済の中心として、国内GDPの26%、19.3兆チャットを占め、ヤンゴン市の人口は今後10年で1,000万人に達すると見込まれています。増える人口を受け入れるべく、雇用、住宅、浄水供給と安定した電力供給を含むインフラストラクチャーが必要になってきます。

ニュー・ヤンゴン・シティは、効率、統一、責任の鑑として、安全でスマートで清潔な街を目指しています。ニュー・ヤンゴン・シティの開発は、主に官民パートナーシップをベースに行われます。民間セクターは、エクイティ投資において主な役割を担うことになります。

 

■IFC、YCDCと提携しヤンゴンの建設認可システムを改善
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世界銀行グループの一員である国際金融公社(IFC)は、ヤンゴンの建設認可システムを改革することで、ビジネスと投資家にフレンドリーな環境をミャンマーに作るために、ヤンゴン市開発委員会(YCDC)と提携することを5月7日に発表しました。

ミャンマーの建設セクターは、最近の世界銀行の調べによると、100万人の労働者を抱え、労働力の5%を占めており、ほかのセクターと比べると成長可能性があるとされています。雇用の創出以外に、建設セクターは、不可欠なインフラプロジェクトの開発や工業や観光といった他の産業を助けています。

「建設認可の対応」は、世界190の経済域におけるビジネスのしやすさを分析する、世界銀行グループのビジネス環境レポートで測られる10つのインジケータの一つです。現在、ミャンマーは建設認可の対応では73位にランクしており、改善の余地があります。
 
「IFCとのパートナーシップの目標は、ヤンゴンの建設認可プロセスを2019年6月までに整備し、自動化することです。これにより、書面でのやりとりが減り、届け出も時間通りに完了できます。建設業者や投資家がプロジェクトを効率的に行うことにもつながります。」とYCDCの秘書官ドー・フライン・モー・オー氏は話しました。
 


■ヤンゴン、当局が決定する不動産価格を見直し
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現在の不動産の価格設定の見直しにより、現在の市場価格に沿った設定になっていないことが明らかになりました。ミャンマー計画財務省の地域大臣ウ・ミント・タウン氏は、計画財務省は、2019会計年度の不動産価格をヤンゴン地域政府の承認を得てリセットすると発表しました。

政府が不動産価格を規制するのにはいくつかの理由があります。実際のところ、極端な価格変動をコントロールするということにつきます。価格が高すぎると誰も購入しません。安すぎると、政府はそのロケーションに見合った税金を徴収することができません。よって、これにより課税逃れをやめさせ、損害保険の請求をしやすくするするのです。しかし、この方法に欠陥がないわけではありません。

「不動産価格は毎年更新されますが、市場の変動に沿うためにずっと更新することはできません。納税印紙も所得税も、毎年、連邦議会が施行した連邦租税法に定められた率にしたがって課税され、価格はヤンゴン地域価格会議によって設定されます。我々は、2018年5月に2019会計年度の価格設定を見直すことにしています。このとき、地域政府の承認を得て、価格設定をリセットする予定です。」と、ウ・ミント・タウン氏は言いました。
 


■ヤンゴン、高架高速道路プロジェクト来年キックオフ
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ヤンゴンの47.5kmにわたる高架高速道路プロジェクトが、建設省とヤンゴン地域政府によって来年実行されます。
プロジェクトが官民パートナーシップ(PPP)に基づいて実行されるため、建設省は、5月18日、国内外の投資家から関心表明(EOI)を募りました。

4車線の高架型高速道路は、ヤンゴン港、ヤンゴン国際空港、ミンガラドン工業団地、ヤンゴン - マンダレー高速道路をつなぎます。

このプロジェクトは、ミャンマー初の高架高速道路になり、1キロメートルあたり200万USドル、合計9,500万USドルと見積もられています。このプロジェクトによりヤンゴンの渋滞が緩和されることが期待されています。

 

■MCEA、建設用材の輸入課税免除を政府に働きかけ
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ミャンマー建設業協会(MCEA)は、政府に働きかけ、建設材料の輸入に対して免税にするよう求めています。ウ・ター・ヒタイ氏は、5月27日に行われた協会の総会で述べました。

「我々が建設するのは低品質な手ごろな値段の住宅ではなく、高品質なものです。たとえば、鉄棒を輸入する時に免税が得られれば、コストをもっと下げることができます。よって、我々は政府に対して、免税の嘆願書を出したのです。」
さらに、協会は、政府がホームレスや無断居住者の問題に取り組む助けとなりたい、これらの問題は政府が課税免除をすれば簡単に解決するといいます。現在、ほとんどのコンドミニアムの価格は3億~4億チャットで、人々がマイホームを持つことが難しくなっています。

協会は、日本の高技術を使った住宅建設のテストを行っており、テストが終了したら政府に報告するとしています。ウ・ター・ヒタイ氏は、協会は低金利で20~30年分割払いのモーゲージローンの採用により、人々がマイホームを手にする手助けをするとも言っています。さらに協会は、2020年までに200万戸の住宅を供給するという政府の計画を支援すると述べました。
 


■デベロッパーの半分が財政難で倒産
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ミャンマーの全建設デベロッパーの半分が、資金不足や準備不足のために失敗しました。ミャンマー建設業協会(MCEA)の副会長、ウ・シェイン・ウィン氏は、5月27日に開かれた協会の総会で述べました。
「業界は2015年以降鈍化、2016年はさらに鈍化し、2017年には凍結しました。2018年には、デベロッパーの半分が崩壊しました」と同氏は言いました。

多くの建設会社が廃業または事業停止をしました。これは部分的には、政府が2016年USDPからNLD主導になった移行期間に、建設会社が財政難に陥ったり、準備不足だったりしたことが理由です。ヤンゴン地域政府の建設業界向けの方針もまた、業界が困難に陥っている自体に一役買っています。」「業界は鈍化しました。家庭の財政がうまくいかないと、新しい家を買うことも修理することもできません。同じように、この国も同じ状況です。自国の経済状況のせいで、不動産市場は頭打ちです。いいニュースとしては、外国人バイヤーが参入すれば、変化が起こる可能性があるということです。」協会会長のウ・ター・ヒタイ氏は言いました。

業界復興のために、MCEAは政府と、不動産市場関連の税改正と、銀行によるデベロッパー向けの法外な金利について対話をしました。また現在、MCEAは、事業再開のために中小規模の業者が担保なしでローンを受けられるように支援もしているということです。
 


■ヤンゴンとマンダレーにメガプロジェクト4件
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建設省によると、ヤンゴン地域とマンダレー地域に、4つのメガプロジェクトが実施されるとのことです。

(1) ニュー・マンダレー・リゾート・シティ:

(マンダレー地域、ピィン・オー・ルウィン・タウンシップ、マンダレー-ムセ道路21番マイルポスト)
ニュー・マンダレー・リゾート・シティプロジェクトは、ピィン・オー・ルウィンタウンシップの10,000エーカー(約40㎢)の土地で3フェーズにわたって実施予定です。現在、建設省は、土地管理用に6社を選出したところです。

(2) 韓国 - ミャンマー工業コンプレックスプロジェクト:

(ヤンゴン地域、レグタウンシップ、ニャウン・ナ・ピィン村近く)
韓国-ミャンマー工業コンプレックスは、ヤンゴンのレグタウンシップ、ニャウン・ナ・ピィン村の近くの555エーカー(約2㎢)の土地にLHコーポレーションと建設省により実施予定で、LH社が60%、建設省が40%出資予定です。建設期間は、2018年から2023年、投資額は1億USドル超です。

(3) エコ・グリーン・シティプロジェクト:

(ヤンゴン地域、レグタウンシップ、ヤンゴン-マンダレー道路3番マイルポスト)
エコ・グリーン・シティは、地元のデベロッパーであるアライアンス・スターズグループによって、1,453エーカー(約5.9㎢)の土地に実施予定で、建設期間は10年とされています。


(4) スマート・ディストリクト・プロジェクト:

(ヤンゴン地域、ダゴンタウンシップ)
ダゴンタウンシップのスマート・ディストリクト・プロジェクトは、シュウェタウン社と建設省により1,100エーカー(約4.5㎢)の土地に実施予定で、投資額は2億5,000万USドルです。
これらのプロジェクトには、低価格住宅、アフォーダブル(手ごろな低中所得者向け)価格の住宅、高速バスターミナル、マーケット、レストラン、公園、遊び場、ホテルゾーン、病院、学校などが工業エリアとともに含まれています。

高架高速道路で渋滞緩和が見込まれ、ニューヤンゴンシティ、メガプロジェクトなど今後の発展が注目されるミャンマー。一方で、デベロッパーの計画不足や資金不足なども目立っているようですので、投資の際には信頼できる物件選びが重要そうです。


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