2022/07/06
2022年第2四半期、IT-BPMセクターに引っ張られる形で、オフィススペースの需要が大幅に増えました。リーチュウ・プロパティ・コンサルタンツ社は、ビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)セクターのサービスの必要性が高まり、各社が追加のオフィススペースを求めている、と述べています。
2022年6月29日に行われたオンライン会見で、リーチュウ・プロパティ・コンサルタンツ(LPC)の商業リース担当ダイレクター、ミッコ・バランダ氏は、今年4月から6月の3カ月で、オフィススペース需要は、前四半期の124,000平米から106%増の255,000平米に急増したと述べました。そのうち、107,000平米ほどが、IT-BPMセクターによる契約です。
バランダ氏は、フィリピン・オフショア・ゲーミング事業者(POGO)も、同期間の需要の21,000平米を占めたとして、2020年3月にパンデミックがフィリピンを襲って以来初めての同業界からの賃貸活動を示す動きだと述べています。
「過去3カ月のリース活動はすべて、フィリピンで初めて事業を行う会社によるものが多く、フィリピンにアウトソースすることが、世界的な不況と対抗しようとする欧米の企業にとって頼れるソリューションであり続けているということを物語っています。」
同じ会見の中で、LCPのリサーチ&コンサルタント業務担当ダイレクターのロイ・ゴレス氏は、パンデミックの到来以来、大型の開発物件は、メトロマニラの南部、特にラグーナ州とカヴィテ州のプロジェクトの在庫が少なくなってきていると述べています。
その中でも、ラグーナ州カランバのカルメルレーにあるロックウェル・サウスの物件の価格上昇が例として出されました。同物件は、2019年の販売開始時は平米あたり35,000ペソ(約85,700円)でしたが、現在は平米当たり53,000ペソ(約129,800円)となっています。
ゴレス氏は、ラグーナ州のアヤラのプロジェクトでも同じような状況だと言います。
「市場が、健康やウェルネスの観点から都市部から逃れるような物件の購入を検討していることを考慮すると、これらの商品が上がってくることが予想されます。」
需要を牽引するのは、アッパーミドルおよびハイエンドセグメントの人々だと予測されています。
ゴレス氏は、パンデミックの間、バタンガス、カヴィテ、タガイタイといったメトロマニラの外にセカンドホームを求める動きが、カヴィテ州のアマデオなどに見られるよう農地の価格上昇にも繋がったと分析しています。ゴレス氏の分析によると、需要を牽引した人々は、在宅勤務を行っているというところまで分かっています。
「それでも、農村地域の難しいところは、こういったエリアによそ者が入り込むことで、価格が上がってきているということです。」とゴレス氏は加えています。
バランダ氏は、田舎のスペース需要はほとんど、BPOセクターで働く人々の需要だと述べています。BPOセクターは、パンデミック期間でも約12万人を雇用しました。
バランダ氏によると、パンデミック期間中に雇用されたBPO従業員のうち、約30%は地方を拠点にしています。
また、デジタル都市の取り組みにより、地方政府はこれらの分野における状況改善ができ、人材、インフラ、不動産、ビジネス環境といった観点から、外国投資を呼び込みやすくすると付け加えています。
「BPO業界は、セブやダバオのような成熟した州だけでなく、ビサヤ諸島やミンダナオの近隣諸島の田舎の開発を劇的に変化させました。」とバランダ氏は述べています。
バランダ氏はまた、BPO業務による直接的な雇用機会と、これらの土地に拠点を構えたBPO企業によって創出された間接的な雇用のおかげで、変化は転機をもたらすものになっていると述べています。
(画像:Image by Pete Linforth from Pixabay)
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