2021/06/14
[フィリピン] IT-BPMセクター2020年パンデミックにかかわらず成長
フィリピンのIT&ビジネス・プロセス・マネジメント(IT-BPM)業界は、2020年、Covid-19パンデミックの影響にもかかわらず、雇用・収益ともに成長を遂げました。
フィリピンIT&ビジネス・プロセス協会(IBPAP)は、フィリピン国内のIT-BPM業界のフルタイム雇用が2020年23,000人増加し、全体で132万人となったと報告しています。2019年と比較して1.8%増となりました。
また、収益についても、2020年には267億ドルを記録、前年から1.4%増となりました。
パンデミックによりほとんどの産業が減益となった中で異例の成長でした。
「2020年、国の国民総生産(GDP)が9.6%落ち込んだ中、このような結果が出たことは業界にとって非常に喜ばしいニュースである」と、IBPAPのレイ・E.ウンタル社長兼CEOは述べています。
2021年4月初め、フィリピン統計局は、2020年のフィリピンのGDPを見直し、-9.6%と発表しています。多くの経済活動が、Covid-19の感染拡大を抑えるための制限措置により制限されました。
2020年4月、最初のロックダウンの実施を受けて、失業率も膨れ上がり、17.6%となりました。
ウンタル社長兼CEOは、「IBPAPが2020年7月に行った調査で、この公衆衛生上の危機の広範囲にわたる影響は、IT-BPMにおいても例外ではなかったことがわかっています。それでも年末までにこのレベルの成長に達したという事実は、業界のレジリエンスとフィリピン経済における重要な役割の証拠です」と述べています。
IBPAPは、ホスピタリティおよび旅行業界がパンデミックの影響を受ける一方、ヘルスケア、Eコマース&リテール、銀行、金融・管理、保険は伸びたことで、業界の雇用を増やし収益を成長させることにつながったとも述べています。
同協会は、フィリピンのIT-BPM業界は、2020年第4四半期にはすでに、回復の兆しを見せることができていたと言います。
2020年後半には、ITアウトソーシング(ITO)プロジェクトの増加も見られました。というのも、クライアント企業が、コロナによる課題を軽減し、事業継続計画の強化の方法として、デジタル化に力を入れたからです。
IBPAPが実施した業界調査によると、IT-BPM企業の87%は2021年に5%~15%成長を見込んでおり、残りの13%が横ばいだと回答しています。
今後12か月から18か月の間に、郊外への事業拡大計画を表明している企業も多くあったということです。
またほとんどの企業が、在宅とオフィスのハイブリッド型の就労スタイルが2021年も続くとみており、来年まで続く可能性もあることを示唆しています。
現在、IT-BPM業界は、在宅7割、出勤3割の働き方で、業務を行いサービスの提供をすることができています。これは、会社の方針、政府の支持、そしてデジタル化の具合で変わってくるでしょう。
IBPAPによると、IT-BPM企業は、今年、既存のオペレーション、デジタル化、そして既存の人材育成に力を入れていこうとしているようです。
エベレスト・グループが行った別の調査では、2021年から2022年にかけて雇用人数5%増、収益5.5%増を達成するという業界の潜在能力を発揮できるようにするための戦略的な必然性を認識しています。
これらには、人材の誘致および開発のための投資、政府の支援の強化、よりフレンドリーなビジネス環境に向けた公共政策への影響力という業界の役割強化、そして通信、電気、交通インフラの向上など、「よりデジタル化された国家に向けた力強い方向転換」を含んでいます。
(出所:ABS-CBN)
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