2018/10/29
[インドネシア] ジャカルタ奇数・偶数ナンバープレート政策延長
ジャカルタがアジア競技大会およびその後のアジアパラ競技大会のホストを務めてからまだそんなに経っていませんが、ジャカルタ州知事アニエス・バスウェダンは、競技大会中に行った交通規制の効果を見て、自家用車の奇数・偶数ナンバープレート政策を延長することに決めました。
当初、同競技大会に出場する選手の移動をスムーズに行うために実施されたこの交通規制は、ジャカルタの大通りで引き続き実施され、年末まで、ひどい交通渋滞で悪名高いジャカルタのその他の地区にも拡大されました。いくつかの調整が加えられ、規制は週末と祝日を除く毎日、朝と夕方のラッシュアワーに実施されます。
この政策の渋滞緩和と炭素排出量におけるプラスの影響をかんがみると、ジャカルタ市政が正しい判断をしたことは明らかです。アジア競技大会中の8月18日~10月2日にかけて収集されたデータによると、ジャカルタ市内での車両の平均走行速度は44%改善、CO2排出量は20.3%減少しました。
どの角度から見ても、奇数・偶数ナンバープレート政策の延長・拡大は支持されるべきです。炭素排出量の減少により、空気中にただよう有害な粒子による健康被害を低下させ、結果として市内の生活の質を改善させることになります。
市内の渋滞の改善は、経済価値の点からも多くを意味します。ジャカルタ首都圏交通管理局は、去年交通渋滞により消費された燃料および物品の配達の遅延に伴う経済損失は、100兆ルピア(約69億USドル)と見積もっています。
交通規制の延長は、現在行われている主要なインフラプロジェクト、特に待望のMRTとライト・ラピッド・トランジット(LRT)を円滑に行うためにも必要だとみられています。MRTプロジェクトの第2フェーズは今年末までに開始予定、一方の第1フェーズの完了および運行は来年3月に予定されています。LRTは来年1月に運航開始予定です。
不満を口にしていたマイカー利用者たちも、7月のトライアル以降、この政策に徐々に慣れてきており、政府が同政策を少なくとも2,3か月延長したところで、あまり影響はないでしょう。さらには、LRTとMRTが利用できるようになった暁には特に、多くのマイカー利用者に公共交通機関を利用してもらうためにも、ジャカルタ市政がこの政策を永久的に実施するのが適当かもしれいません。
定時性があり便利な公共交通機関は、最終的にはジャカルタ首都圏に住む人々が家に車を置いて出かけることにつながるはずです。一方で、アニエス州知事は奇数・偶数政策導入以降、自動車販売が伸びていることも指摘しています。というのも、人々は、奇数と偶数のプレートの車両をそれぞれ保有しようとしているからです。インセンティブが増えれば増えるほど、人々がマイカーに代わって賢く公共交通機関を選択すつようになるでしょう。
奇数・偶数政策単独では十分ではないので、車両所有制限や車両年式規制、また車両所有税や駐車料金の増額、その他人々に車両購入を躊躇させるようなメカニズムなどの阻害要因を検討する可能性もあります。
(出所:Jakarta Post)
ジャカルタの公共交通機関に対する期待がどんどん高まりそうです。
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