2018/09/10
[ジャカルタ] 2018年第2四半期レジデンシャル市場レビュー
■賃貸成長率 -4.7%
■NLA*における1㎡/年 3,280,592インドネシアルピア(約24,390円)
■循環ステージ 賃貸料下落
サービスアパートメントの需要を高めるアジア競技会
特定のタイプのコンドミニアム開発(好立地・好アメニティで、小さめかつ安めのもの)に対する需要は健全に推移する一方で、ラマダン期間は一般的にコンドミニアムの売り上げは鈍化し、2018年も例外ではありませんでした。次の四半期のほうが、より正確な現在の需要を反映するものと思われます。
サービスアパートの需要は、韓国や日本からの大使館や駐在員にけん引されました。しかし、流通コンドミニアム市場と比べると高めの価格設定は、テナント候補となる一部の人々にとっては厳しい条件となっています。アジア競技会の開催が、サービスアパート市場に一時的に後押しするものとみられます。
コンドミニアムタワー3棟が完成
コンドミニアムタワー2棟(エタニティとインフィニティ)がスディルマン中央ビジネス区(SCBD)の8区に完成し、ポンドック・インダ・レジデンス・タワー3(アマラ)の工事が、ハイエンドの南ジャカルタで完了しました。これらの3棟の完成により、コンドミニアム市場に712ユニットが追加され、その多くはリース市場で取引されるとみられています。
2018年第2四半期、新規発売開始した上流コンドミニアム、および建設完了した新規サービスアパートはありませんでした。
コンドミニアムの価格はほぼ横ばい
サービスアパートの賃貸料は、コンドミニアムの流通市場の価格よりも大幅に高いものの、空室率は23%、賃貸料は2018年第2四半期下降を続けました(前期比-1.8%)。サービスアパートの賃貸料は平均で昨年と比べてほぼ5%下落しました。上流コンドミニアムの価格は、2018年第2四半期ほぼ横ばいでした。
2018年第2四半期、大きな投資案件は見られませんでしたが、レジデンシャルセクターは、国内外のデベロッパー各社から好まれました。投資家が注目しているのは、CBD(中心業務地区)だけでなく郊外も含まれています。
見通し:投資家は今後の選挙に注目
次の大統領選が2019年央に開催されます。投資家たちは何事もなく終わることを願っています。最近の対USドルのルピア下落(多くの新興市場で売りが相次いだ中)もまた、レジデンシャル市場では主要な要因です。通貨が安定することで、市場心理も底上げされるでしょう。
市場心理が改善するにつれて、上流コンドミニアム市場では緩やかに上向きの動きがみられるでしょう。一方で、コンドミニアムの流通市場の競争力を与えるために、サービスアパートの賃貸料は適度に抑えられるでしょう。
(出所:JLL)
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