[マレーシア] ジョホール州の不動産市場におけるディストレスト状態のモールの再生

2024/02/22


ホワイトナイトをはじめとする投資家らがジョホール州の不動産市場に参入しており、特に経営難に陥ったショッピングモールを救済しようとしています。



KGVインターナショナル・プロパティ・コンサルタンツ社(KGV International Property Consultants)によると、ロット1ウォーターフロント・シティ(Lot 1 Waterfront City Mall)など、いくつかのモールは新たな息吹を必要としています。



同モールは、ジョホールの王宮の真正面にあり、ジョホール海峡に面している5階建てのモールですが、閑散としています。



2000年にジョホールバル(JB)ウォーターフロント・シティのフローティング・プロジェクトの一部として、工事費1億リンギット(約31億円)以上をかけて建設されました。全体のJBウォーターフロントシティ・プロジェクト(工事費60億リンギット、約1,885億円)は、1996年に開始しました。



KGVインターナショナル社によると、現在、町の中心部に人を呼び込むため、Lot1の敷地全体を街の広場として象徴的な回転タワーを備えたボードウォークに更新される計画があります。同様に、多くのJBのモールが、大規模な改装や再開発を検討しているようです。



現在、 JBの多くの地域が、今後の金融特区(SFZ)や経済特区(SEZ)のような重要な開発やインフラ整備の恩恵を受けることが予想されることから、KGVインターナショナル社は、ショッピングモールのオーナーに対し、施設の改修を計画するよう提言しています。



たとえば、建設以来低迷しているフォレスト・シティ・ショッピングモールも今後は期待ができそうです。



KGVインターナショナル社のエグゼクティブ・ディレクター サミュエル・タン氏は、「フォレストシティをSFZにする計画は、雇用機会を創出し、人々がそこに滞在し、働き、買い物をするようになるだろう」と述べ、シンガポールからのアクセスが改善ざれれば、この免税エリアはショッピング天国になるだろうと付け加えています。



また、MICE(会議、インセンティブ、会議、展示会)の増加によるこのエリアの活性化も期待されています。



「フォレスト・シティを交通の中心地として機能させ、高速鉄道を通過させることは、建設費がかかるとはいえ、実現可能です。メリットがデメリットを上回るのであれば、そこに高速鉄道を通す価値はあります。フォレストシティは、SFZと一体となって活性化するでしょう。外国人にとっても、地元の人にとっても、必見の場所になるはずです。」と同社は述べています。



タン氏はまた、サウスキーのミッドバレー、パラダイム・モール、イオン・テブラウ、イオン・ブキ・インダ、スーテラ・モールなどの郊外型モールも、波及効果的にこの恩恵を受けるだろうと述べています。



これらのモールは、適正なモール経営のモデルだ、とタン氏は付け加えています。顧客に新しい体験を提供すべく、頻繁にテナントを入れ替え、強豪との差別化を図るべく新しいブランドが加わったりしているようです。また、ショッピング以外に、ファミリー向けのレクリエーションも充実しているといいます。



タン氏は、集客のために、いくつかの古いモールを改装し、活性化させる必要があると述べました。たとえば、ザ・ゾン(The Zon)も、老朽化が進んでおり改修が必要だとしてきしています。このモールは、免税ゾーンにあるため、立地としては絶好であるが、通関が不便なこととと、テナントミックスが良くないので、具体的な取り組みが必要だと指摘しています。




(出所:New Straits Times

(画像:UnsplashのVen Jiun (Greg) Cheeが撮影した写真)