2022/04/12
クアラルンプール、スランゴール、ヌグリ・スンビランは、2019年から2021年のレジデンシャル不動産販売において、最も人気のロケーションでした。
マレーシアの不動産ポータル「iProperty.com.my」は、不動産市場が高層物件の過剰供給問題やCovid-19パンデミックに対応していた同期間、これらのエリアで好調だった物件を特定しています。
iProperty.com.myの国担当マネジャー、シャイレンドラ・ネイサン氏によると、これらの物件については、2021年の取引・販売件数が多かっただけでなく、問い合わせ件数自体も多かったようです。
「精通した投資家は、この喜ばしい需要のトレンドを、2022年どこに投資を集中させるべきかという好材料として見るでしょう。厳しい時期でも回復力を保っているレジデンシャル物件は、特に賃料利回りや値上がりという点で、市場が将来回復したときにブームを迎えるチャンスがあるかもしれません。」
一般に不動産市場が控え目な状態が続く中でも、ネイサン氏は、クアラルンプール、スランゴール、ヌグリ・スンビランのこれらの物件は好調で、近い将来、需要が飛躍的に伸びる可能性をちらつかせていると考えています。
さらに、ネイサン氏は、エンデミックへの移行により、消費者需要が伸びるにつれて、新たなオポチュニティの扉が開くのではないかと考えています。
2022年の不動産市場の見通しについて、ネイサン氏は、全ての指標が今年の市場の有望さを示していると述べています。
「とはいえ、市場専門家は、その進捗はゆっくりと、しかし安定的なものだと考えている」とネイサン氏は述べています。
マレーシアの国民総生産(GDP)が5.5%~6.5%成長するという期待から、好ましい消費者心理が生まれることで不動産市場がさらに拡大する可能性もあります。
経済活動の活発化により、消費者の信頼感を高め、取引活動が増えることが期待されます。
では、ネイサン氏が考える投資家が検討すべき不動産タイプやロケーションを見ていきましょう。
クアラルンプール
クアラルンプールで最も関心を集めたのは、ショッピングモール、映画館、店舗や飲食店といった、現代的なライフスタイルアメニティが多くあるエリアでした。
また、働く人々や学生が多く集まる地域で、安定的な賃貸市場を求める動きもあったようです。
駐在員コミュニティ向けの高級レストランやエンタメ施設、コスモポリタンな雰囲気のあるエリアも、投資家の関心を集めました。
ネイサン氏は、「ブキットジャリルやモントキアラがこれに当てはまります。クアラルンプールの投資物件トップ5のうち4件は、これら2つのタウンシップです。ブキットジャリルには、適度な賃貸利回りで将来の成長可能性が大きい高層物件がいくつかあります。モントキアラのコンドミニアムも高値を維持しており、価格上昇の点で好ましく、賃料利回りも魅力的です。」
スランゴール
モール、教育機関、病院、ハイパーマートといったインフラおよびアメニティが優秀で、緑に囲まれたダマンサラが、スランゴールの中でも特に投資家の間で人気だったようです。
「この健康的な環境は、必要なものがすべてそろった便利な環境に住み、働くことを求める、働く若者の関心を集めました。バンダール・スリ・ダマンサラのとある高層物件は、森林保護区の脇にあり、自然を楽しむことができます。」
ネイサン氏によると、スランゴール州の投資物件トップ5のうち3件は、ダマンサラ・ペルダナ、コタ・ダマンサラ、バンダール・スリ・ダマンサラのものだということです。
ダマンサラは賃料利回りも値上がりも魅力的で、長期的な投資戦略としては幸先が良いようです。
ヌグリ・スンビラン
投資家は、ヌグリ・スンビランの教育ハブおよび観光地としての可能性に着目しているようです。
ネイサン氏によると、ヌグリ・スンビランで好調だった高層物件トップ5はすべて、ニライおよびポート・ディクソンにあります。
ニライは、複数の大学が存在し、学生、教員、スタッフが多く住んでいます。かなりの数の学生・留学生がいることで、賃料収入の期待が高まります。
一方、ポート・ディクソンは、心地よい海風とビーチへの近さで人気です。
「投資家は、ポート・ディクソンの観光地としての長期的なポテンシャルに着目しています。ポート・ディクソンの賃料利回りは低いですが、立地が良くオーシャンビューが楽しめる高層物件の価格の中間値は、過去2年で上昇しています。長期的な投資のポテンシャルがあることを表しています。」
(出所:New Straits Times)
(画像:Photo by Mohd Yuzman Juhari on Unsplash )
もっと詳しく知りたい方はこちら