2023/04/17
パンデミックにより過去2年半減速したメトロマニラの高級コンドミニアム市場ですが、2022年にカムバックを遂げました。
総合不動産サービス会社コリアーズ・フィリピンのジョーイ・ボンドック氏は、800万ペソ(約1,930万円)超の高級市場は、2022年、全体の成約件数の34%と最大シェアを占めて、前の年の5%から大きく増加しました。ボンドック氏は、2022年の成約件数について、フォートボニファシオ、ベイエリア、オルティガスCBDといった主要中心業務地区にあるプロジェクトの需要が高かったと説明しています。
コリアーズ・フィリピンはまた、メトロマニラのインフラが着々と整備されていることで、高級・超高級ユニットを中心として、コンドミニアム価格を支える重要な役割を果たすと考えています。ボンドック氏は、地価の上昇と建設資材の高騰により、デベロッパー各社はさらにプレミアムな住宅ユニットを導入してくることになりそうだと話しています。コリアーズは、今後CBD(中心業務地区)やメトロマニラ郊外で高級ユニットの発売が相次ぐと予想しています。
「大手デベロッパーの最近のレジデンシャル物件は富裕層向けのものが多くなっています。2022年、新規発売ユニットの3分の1が上級から超高級に区分されるものでした。投資家は、値上がりの可能性とインフレに対抗するリスクヘッジとして、このような高級ユニットを好む傾向にあるようです。」
右肩上がりの地価に加えて建設資材の価格上昇もまた、デベロッパーがメトロマニラのコンドミニアム市場の高級価格帯を狙わざるを得ない理由になっています。
ボンドック氏は、金利や住宅ローン金利の上昇にもかかわらず、高級・超高級セグメントは今後も回復力を持ち続けると考えています。
コリアーズ・フィリピンは、今年から徐々に価格が回復し、2020年と2021年の低迷した経済状況が引き起こした市場の調整局面を相殺しそうだと予想しています。
「過去の危機はメトロマニラのレジデンシャルプロジェクト需要に影響を与え、価格の調整が入りました。しかし、過去のデータから、高級セグメントは回復力があり、不況でも安定して、世界的な金融崩壊のあともすぐに回復の兆しを見せています。」と指摘しています。
メトロマニラの高級、超高級プロジェクトは特に、アジア通貨危機や世界金融危機の後も安定的な価格上昇を記録しました。ボンドック氏は、高級レジデンシャルユニットの需要は2023年以降も持続するだろうと話しています。
2022年、コリアーズのデータでは、6,000戸の高級、超高級ユニットが発売され、期間中の全体の発売数の25%を占めました。2022年第4四半期に発売された高級・超高級プロジェクトには、ロックウェルランドの「エダデス・ウェスト(Edades West)」、アルタランドの「イルリア(Eluria)」があります。これらのプレセール中のプロジェクトのユニット当たりの契約金額の価格帯は、1億200万ペソ(約2億4,480万円)から1億4,900万ペソ(約3億5,760万円)で、平米あたりでは472,000ペソ(約113万円)から519,000ペソ(約125万円)となっています。
(出所:Business Mirror)
(画像:UnsplashのAeron Oracionが撮影した写真)
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