2021/02/15
[マレーシア] 2020年のGDPは5.6%縮小、1998年以来最悪
マレーシア経済は、2020年第4四半期さらに悪化し、政府が当初予想していたよりも大きなGDP縮小となりました。
マレーシア統計局(Department of Statistics Malaysia)のウジール・マヒディン主任は、2021年2月11日、マレーシアの2020年第4四半期のGDP縮小幅は3.4%となり、第3四半期の2.7%よりさらに減少しました。2020年全体のGDPは、5.6%縮小しました。1998年アジア通貨危機以来最悪となりました。
財務省は、以前に、2020年のGDP成長率予測を-4.5%と予測していました。2019年は+4.3%でした。
2020年10月~12月、政府がCovid-19の第三波に対応すべく、国内のほとんどの地域に、移動の制限を含む厳しい規制が敷かれました。
ウジール主任によると、建設業、鉱業、サービス業が最も縮小幅が大きく、それぞれ19.4%、10%、5.5%となりました。
マレーシア中央銀行総裁は、2021年第1四半期は、労働市場も弱い状態が続き、その後回復に向かうだろうと述べています。
2020年末の時点で、失業率は4.8%となっています。年央では5%を記録し、過去30年で最高値となりました。
一方で、ノル・シャムシア中央銀行総裁は、ワクチンの展開や世界経済の回復に伴って、2021年に景気が上向いてくることについては自信を見せていますが、Covid-19のダウンサイドリスクはあると念を押しています。
マレーシア中央銀行は、2021年の景気見通しについて、3月に入ってから見直し版を発表する予定になっています。財務省の当初見通しでは、今年の成長率は6.5%~7.5%となっています。
中央銀行総裁は、2020年3月に行われたような包括的ローンモラトリアムの再導入が叫ばれる中、各銀行が行った対象者を絞って行った融資返済支援もまた、部分的なロックダウンの経済へのインパクトに対処するためには十分であったとして、「自動的なモラトリアムで経済が救われると考えるのは誤った考え方である」と記者会見で述べています。
パンデミックが約1年前に始まって以来、マレーシアは3度目のCovid-19活動制限を行っています。
2020年3月から6月の間、経済はほぼシャットダウンに近い形で、第2四半期のGDPは17.1%も縮小しました。
感染者数の再増により部分的な制限が10月に導入されました。
さらに、2020年末、1か月ほど経済を再開したところでまた感染者数が増加をはじめ、2021年1月中旬より部分的なロックダウンを行っています。現在行われているロックダウンは2月18日に終了することになっています。
マレーシアは現在、パンデミックに対処するため、7か月間の非常事態宣言中です。
(出所:Straits Times)
(トップ画像:Image by user598 from Pixabay )
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