2020/12/25
[マレーシア] 統計局:マレーシアの景気回復加速
マレーシア統計局によると、国内経済は、2021年初旬の回復に向けて、徐々にペースを速めています。
アジア開発銀行が最近発表した経済レポートに触れて、マレーシア統計局のモハメド・ウジール・マヒディン主任統計官は、マレーシアの国内総生産(GDP)は今年6%収縮するものの、来年は7%に回復すると述べています。
したがって、Covid-19パンデミックの感染拡大をおさえるための適切なソリューションを見つけるとともに、産業が大きな影響を受けないようにすることが重要であると強調しています。
「政府が定めた厳しい標準作業手順(SOP)に従うことで、この前代未聞のパンデミックがまだ制御可能な状態なので、マレーシア経済は徐々に回復してくるでしょう。」
モハメド・ウジール主任統計官はまた、政府の政策および取り組みが労働市場の安定化を支えたことも、景気の立ち直りに貢献していると加えています。
職を求める者を増やすのではなく職を創設するような、収入源としての起業家精神を、特に若者の間で醸成していくような、より戦略的な努力が必要であるとも述べています。
同時に、雇用適性を高めるべく、若者は、常に変わりゆく労働市場の要件に素早く対応できるように、知識やスキルをアップデートしていかなくてはいけないとも忠告しています。
一方で、政府が最近、地区および州をまたいだ移動を認めたことで、国内観光活動の促進も期待されています。
「人々は、クリスマス、新年、学校の休暇が重なった年末休暇を利用して旅行するので、年末は普段から忙しい時期です。よって、国内の観光関連産業の成長に大きく貢献するでしょう。」
また、モハメド・ウジール主任統計官は、Covid-19パンデミックは、Eコマースにとって災い転じて福となったことも強調しています。オンラインショッピングが増え、それにともない郵便およびクーリエサービス事業者の収益増にもつながったからです。
オンラインビジネスにより、情報コミュニケーション技術の利用も増えました。事業の存続のために、多くの業者が積極的にデジタルプラットフォームを利用したからです。
「食品、衣料品、手作り品などを扱うインフォーマルセクターの事業者は、積極的にこういったプラットフォームをソーシャルメディアなどを通じて活用することで、このような活動が次々と生まれました。」
2021年予算の下で、政府は起業家に対して資金援助を行っていくことにしていますが、こういった活動を持続的に支えていくためには、よりプロアクティブなアプローチが必要であるとモハメド・ウジール主任統計官は話しています。
生産人口は、2020年9月の1,593万人から、10月には1,596万人とやや増加しました。しかし、失業率は、2020年6月から下降トレンドにあったものの、2020年9月の4.6%から0.1ポイント上がって、10月は4.7%となりました。
マレーシアの輸出額は、前年同期比0.25増の911億リンギットとなり、2020年の月間の輸出額としては2番目に高い値となりました。
輸出額の増加は、ゴム手袋、パーム油、パーム油を原料とした製品、電気・電子製品の輸出の増加に支えられました。
さらに、製造部門が経済の主要なドライバーとなっており、国内向け・輸出向けともに貢献して2.4%成長を記録しています。
(出所:Malay Mail)
(トップ画像:Image by Engin Akyurt from Pixabay )
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