[マレーシア] 2021年のGDP成長率3.1%

2022/03/07



2022年2月にマレーシア中央銀行が発表したところによると、2021年、マレーシアの国民総生産(GDP)は3.1%増加しました。第4四半期単独では、前年同期比3.6%でした。



この結果は、何千もの人が職を失い、事業が閉鎖されたコロナ危機の始まりから約2年経って、マレーシア経済が回復の道を歩み始めていることを示しています。



マレーシア中央銀行のノル・シャムシア総裁は、「GDPは、(Covid-19の)封じ込め対策の緩和と力強い外需に支えられて、2021年第4四半期に立ち直りました」と話しています。



マレーシア統計局によると、第4四半期のGDPの伸びに貢献したのは製造業で、第3四半期に0.8%縮小しましたが、第4四半期には9.1%拡大しました。具体的には、電気、電子、工学製品、続いて石油、化学、ゴムおよびプラスチック製品でした。



第4四半期、失業率は4.6%にまで減少しました。インフレ率は第3四半期の2.2%から3.2%に上昇しました。



四半期ごとのGDPは、2021年、上下を繰り返しました。第1四半期は-0.5%、第2四半期は16.1%と急上昇し、第3四半期は-4.5%でした。



▼四半期ごとのGDP成長率の推移(出所:Department of Statistics, Malaysia)




ロイターがエコノミスト20名に行った調査では、第4四半期の対前年同期GDP成長率の推定中央値は3.3%でした。しかし、エコノミストの予測は1.5%から6.3%と幅広く、パンデミックが経済活動に与える影響を図るのがいかに難しいかを強調する結果となりました。




中央銀行は、2021年の成長目標を、野心的な6~7.5%から、3~4%に下方修正していました。2020年は5.6%のマイナス成長でした。



2022年について、中央銀行は5.5~6.5%成長を見込んでいます。世界需要の拡大と民間支出の増加に支えられると見られています。マレーシアは、大打撃を受けた観光業の復活も計画しており、早ければ3月内にワクチン接種済みの渡航者の入国を認める方針です。



ノル・シャムシア総裁は、成長の勢いが「労働市場環境の改善と外需の拡大により、民間セクターの支出に支えられて2022年はさらに加速してくる」だろうとコメントしています。



しかし、見通しは、変異株の出現、世界金融市場の変動、そしてサプライチェーンの混乱に関係するリスク次第だとも述べています。




非常に感染力の高いオミクロン株により、ウイルス感染者数は再び増加傾向で、2月末には23,000人に達しました。一方で、マレーシアは域内でもかなりワクチン接種が進んでおり、成人の55%超がすでにブースター接種を受けています。




(出所:Asia NikkeiDepartment of Statistics Malaysia