2021/05/17
[マレーシア] 2021年第1四半期GDP成長率発表、中央銀行ターゲット据え置き
2021年第1四半期のマレーシアの国民総生産が発表されました。0.5%の収縮となりましたが、2020年第4四半期の3.4%収縮と比較すると、すべての経済セクターにおいて改善がみられ、回復の兆しが見えてきています。
パンデミックが始まった当初の2020年第1四半期、マレーシアのGDP成長率は0.7%でした。
すべての経済セクターにおいて、今四半期改善が見られますが、特に貢献したのは製造業だということです。
製造セクターは2021年第1四半期、6.6%と力強い成長を見せました。2020年第4四半期は3.0%でした。一方で、サービス業は-2.3%となりましたが、それでも2020年第4四半期の-4.8%と比較すると改善しています。
農業はわずかに増えて0.4%、鉱業・採石業は改善するも-5.0%、建設業は-0.4%となりました。
活動制限令(MCO)が実施されるのはこれで三度目になりますが、マレーシア中央銀行のノル・シャムシア総裁は、マレーシアのGDP成長率は、2021年6.0~7.5%の間に入るだろうと述べています。
MCO 3.0は、(年初に実施された)MCO 2.0と同様に、ほとんどの経済セクターの活動が継続となります。MCO 3.0が実施されたとしても、ほぼすべての経済セクターの営業が認められているので、2020年のときほど、経済成長への影響は深刻でないはずだ、とも話しています。
「全体として、世界的需要の改善、官民セクターの支出増加、さらには引き続き行われている政策支援により、成長回復は恩恵を受けるでしょう。これは、労働市場環境の回復にも、特に雇用活動が段階的な改善という形であらわれてくるでしょう。」
ノル・シャムシア総裁は、既存・新規の製造施設の生産量、特に電気・電子機器および一時関連サブセクター、並びにオイル・ガス施設からの生産量の増加が、成長に向けたさらなる推進力を与えてくれるでしょう。
ノル・シャムシア総裁は、国内のCovid-19のワクチンプログラムの推進もまた、消費者心理を高め、経済活動の回復に向けて貢献するだろうとも述べています。
しかし、経済セクターによってその回復のペースはまちまちとなりそうです。
今後について、ノル・シャムシア総裁は、マレーシアは、より力強い世界経済・貿易活動から恩恵を受ける好位置にいるとも述べています。
「成長見通しは、パンデミックにまつわる今後の進展によって形作られていきますが、基本的に社会活動を抑制することを目的としており、ほぼすべての経済セクターの営業を認めている今回の封じ込め策の実施は、経済活動への影響を最小限なものに抑えるでしょう。」
経常収支は123億リンギット、つまりGDPの3.3%の黒字でした。
総合インフレ率については、今年第1四半期ポジティブに展示ましたが、今年は平均で2.5~4.0%となる見込みです。
「総合インフレ率は、2021年第1四半期0.5%に増えました。主な原因は、燃料価格のベース効果と、さらに電気料金の払い戻しの影響がなくなったことです。インフレが進むのは、世界的な原油価格の上昇によるコスト増の要因によるものです。一方で、コアインフレは落ち着いた状態が続くでしょう。
ノル・シャムシア総裁は、インフレは4月、5月で6.5~7.0%ぐらいまで加速し、6月には5.0%を切って落ち着くだろうと述べています。コアインフレは落ち着いた状態が続き、平均して0.5~1.5%となるだろうと述べています。
「2021年の金融政策も、景気回復を支えるべく緩和的な状態を続け、一方で価格の圧力を制御できる範囲内に抑えておく狙いです。」
「中央銀行も、財政的な不均衡がかさならないように注意をして見ていきます。パンデミックにまつわる不確定性が残る中、金融栄作は今後も新しいデータや情報を見ながら決めていきます。」
中央銀行は、5月の金融政策決定会合で、翌日物の政策金利を1.75%に据え置く決定をしました。
(出所:Malay Mail)
(画像:Image by Engin Akyurt from Pixabay )
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