2020/08/20
[マレーシア ] 2020年第2四半期のGDP成長率は-17.1%
マレーシアのGDP成長率は、2020年第1四半期の0.7%から一転して、第2四半期は-17.1%となりました。
▼マレーシアの四半期ごとのGDP成長率(出所:Department of Statistics Malaysia)
マレーシア中央銀行は、このマイナス成長について、国内外で行われているCovid-19流行抑制のための厳しい封じ込め措置の影響を反映していると述べています。
マレーシアでは、全土でおこなわれた活動制限令(MCO)のもとで行われた数々の対策により、生産活動や消費活動を制限する結果となりました。
「極端に弱い外需だけでなく、多くのセクターで生産活動に制約があったことから需要と供給のショックに陥りました。」と中央銀行は発表しています。
さらに、中央銀行は、国境の閉鎖に加えて、州をまたいだ移動も制限されたことから、観光活動も著しく減少しました。
供給側では、ほとんどの経済セクターがマイナス成長を記録、一方でほとんどの支出が抑制されました。
季節変動調整後の前期比では、経済は16.5%のマイナス成長でした。
第2四半期、消費者物価指数は-2.6%となり、昨年と比べて石油小売価格が大幅に下落したこと、段階的な電気料金の払い戻しなどが主な要因でした。
コア・インフレ率はやや抑えられ1.2%となりました。
マレーシア中央銀行は、第2四半期、投資家心理とリスクアペタイトが改善し、外国からの資本流入が再開したことを受けて、リンギットが対米ドルで0.5%高くなったと発表しています。
これは、中央銀行および政府が、大規模な流動性注入と政策対応を迅速に行ったことによります。
加えて、各国の活動制限が徐々に緩和されることで、投資家心理も支えられました。
域内の通貨もまた、同じように第2四半期は対USドルで通貨価値が上昇しました。
第2四半期以降、世界的な低金利と世界経済の回復についての楽観的な見方から、域内の市場の勢いは高まると予想されています。
結果として、2020年6月末以降、マレーシアは非居住者からの投資の流入が続き、対USドルでマレーシアリンギットは2.2%強くなりました(8月13日時点)。
▼USD/MYR為替レートの推移(出所:xe)
しかし、マレーシア中央銀行は、近い将来は世界経済は不透明な状態が続くので、資本の流入と為替の変動が進む可能性があると述べています。
(出所:New Straits Times)
(トップ画像:Amrina Halmi on Unsplash )
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