[マレーシア] 驚異的な成長を遂げるウェルネス不動産部門

2023/08/29


マレーシアのオンラインニュース「New Straits Times」は、国内のウェルネスとヘルスケア部門にけん引される不動産開発がかつてない勢いで成長し、国の経済に貢献していると報じています。



2022年2月に発表されたグローバル・ウェルネス・インスティテュート(GWI)の報告書「The Global Wellness Economy: Country Rankings」によると、アジア太平洋地域のトップ10に入るマレーシアのウェルネス経済は、2020年に244億米ドルと評価されました。ウェルネス経済規模では、マレーシアは150カ国中26位でした。



世界のウェルネス不動産の市場規模は、2015年には1,190億米ドルと評価されていましたが、2020年には約2,750億米ドルに膨れ上がったと報告されています。



GWIによると、パンデミックの年(2020年)、建設業界全体の生産高が2.5%減少した一方で、ウェルネス不動産の生産高は22%以上増加しました。



同市場は年平均成長率20.7%で成長し、2028年には8,639億米ドル以上に達すると予測されています。



KGVインターナショナル・プロパティ・コンサルタンツのエグゼクティブ・ディレクター、サミュエル・タン氏は、ウェルネスとヘルスケアは高度に専門化された産業であり、一部のデベロッパーはすでに積極的に取り組んでいると述べています。



また、この流れに乗りつつある地元の病院もあるようです。



「このビジネスは収益性が高いだけでなく、定期的な収入が得られます。異なるビジネスモデルを持つことは、どの企業にとってもリスク分散の一環となります。」とタン氏は話しています。



タン氏によると、マレーシアにおける健康・ウェルネス需要は、オーストラリアや欧米の事業者を中心として、関心を集めているということです。



「健康なくして豊かさはありません。コストの観点から、国内の人々だけでなく、近隣諸国もマレーシアのウェルネス・センターに関心を寄せています。マレーシアの気候と多元的な社会が先進国の人々の心をとらえているようです。安全性と言語も大きな魅力です」と彼は説明しています。



ブキット・ジャリルにある150億リンギットのKLウェルネス・シティ(KL Wellness City)や、セリ・ケンバンガンのマインズ・リゾート・シティにあるマインズ・ウェルネス・ハブ(The Mines Wellness Hub)など、クランバレーではウェルネスやヘルスケア関連のプロジェクトが急増しています。



カントリー・ハイツ・ホールディングス(Country Heights Holdings Bhd)は、マインズ・ウェルネス・ハブでホリスティックなアプローチを通じて健康とウェルネスを促進し、良心的な予算で、マレーシア国内外から志を同じくする人々を呼び込もうとしています。



創業者のリー・キム・ユー氏は、新型コロナウイルス感染症の大流行以前から、健康、栄養、免疫力を促進する製品にお金をかけている人はいたが、ウイルスの大流行以降、健康やウェルビーイングのために健康補助食品やウェルネス製品を求める人がさらに増えるようになったと述べています。



リー氏は、パンデミックは世界の健康とウェルネスに対する見方を変えたと指摘しています。健康とは、心身ともに健康でストレスのない生活を意味すると言います。



リー氏によると、ヨーロッパやアジアから多くの裕福な退職者が健康とウェルネスを求めてマレーシアを訪れており、中には、高い生活水準を享受するために、マレーシアへの移住を希望する人もいると言います。



リー氏はNew Straits Timesに対して、「マレーシアの不動産は、世界で最も手頃な価格のままです。私は何十年もこのビジネスに携わっており、外国人が何を求めているかを理解しています。マレーシアは外国人にとって安全で経済的です。」



「パンデミックの後、さまざまな健康状態の治療を求めてマレーシアを訪れる外国人が増えていることに気づきました。これはマレーシアにとって大きなチャンスであり、私たちは迅速かつ果断に行動しなければなりません。」と語っています。




(出所:New Straits Times

(画像:UnsplashのBrett Jordanが撮影した写真)