2021/06/21
[マレーシア] 持ち家キャンペーン年末まで延長で初めてのマイホーム購入者には朗報
2021年5月末を期限としていたマレーシアの持ち家キャンペーン(Home Ownership Campaign、HOC)が、2021年12月末まで延長されました。業界関係者は、初めてのマイホーム購入者の刺激になるだろうとして、今後活発な取引が生まれるのではないかと期待しています。
コロナウィルス感染者数の増加により、政府は6月1日から14日まで、国内全土で完全ロックダウンを行うことを発表しました。このロックダウンは、6月28日まで延長されています。完全ロックダウンは、400億リンギットの景気刺激策、通称「Pemerkasa Plus」と抱き合わせで、国民への支援と、ロックダウンの経済への影響に対応することを目的としています。
このPemerkasa Plusには、HOCを年末まで延長することも含まれています。キャンペーンは、2021年5月31日で終了することになっていました。
マレーシア不動産・住宅開発業者協会(Real Estate and Housing Developers' Association (Rehda))は、Pemerkasa Plusのインセンティブの一つとして、キャンペーンが2021年6月1日から12月31日まで延長するという政府の決定を賞賛しました。
REHDAのソアム・ヘン・チューン会長は、今回のキャンペーンの7か月延長により不動産業界は全体として恩恵を受け、国の経済の立て直しに貢献することができるだろうと述べています。
会長はまた、HOCを延長することは、この厳しい時期に国民の負担を減らしたいという政府の決意の表れであるともコメントしています。というのも、購入を検討している人は、印紙税の支払いを負担に感じているだろうし、キャンペーンの下で提供される住宅価格の割引は大きな助けになるからです。
HOCは、譲渡にかかる覚書と融資契約の印紙税免除、物件価格の割引最低10%などのインセンティブで購入者に非常に好評です。
HOCが初めて導入されたのは2019年のことです。不動産購入プロセスと売れ残り物件の販売を活性化することを目的としていました。
購入者を考えている人にとって一番大きいのは、その一部として提供されている金銭的なインセンティブです。このインセンティブとは、100万リンギットまでの住宅物件の譲渡にかかる書類の印紙税完全免除、100万リンギットから250万リンギットまでの物件については部分免除、さらに融資の確保にかかる書類にかかる印紙税免除や、物件価格の最低10%割引などがあります。
2019年1月から12月の間に、HOCのもとで370億リンギット相当の販売(つまり、57,000件の住宅物件取引)が成立しました。
2020年1月1日から2020年5月31日までは、コロナウィルス大流行で陽性者数が増加したこと、それに政府が感染の拡大を防ぐために導入した活動制限令(Movement Control Order)が実施されたことで、HOCは行われませんでした。
企業を支え、国の経済を強化すべく、首相は、2020年6月5日、短期経済回復計画(Short-Term Economic Recovery Plan)の導入を発表しました。
HOC 2020-2021(2020年6月1日から2021年5月31日)の再導入は、その中で提示された多くのインセンティブのうちの一つでした。
HOC 2020-2021により、2021年2月28日時点で、256.5億リンギット(34,354件の取引)が記録されました。
REHDAが行った、2020年後半期および2021年前期・後期の市場見通しについての不動産業界調査が、今年3月に発表されましたが、そこではHOC 2020-2021に参加した121人の回答者のうち、89%がキャンペーンのおかげで販売が伸びた、と答えています。
ソアム会長は、2020年6月1日から2021年の5月初旬の間で、マレーシア半島ではキャンペーンのもとで50,000戸近くが販売されました。このときデベロッパー側から提供された割引は約63億リンギットです。
(出所:New Straits Times)
(画像:Photo by Mohd Jon Ramlan on Unsplash)
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