2022/10/13
マレーシアでは、2022年8月のローン申込は安定的でした。中央銀行が政策金利を引き上げたにもかかわらず、不動産需要は影響を受けていないことを示しています。
マレーシア中央銀行が開示したデータに言及し、リサーチ会社「MIDFリサーチ(MIDF Research)」は、2022年8月のローン申込が前月比で4.5%増の534億リンギット(約1.7兆円)となりました。2022年7月は、前月比で12.5%落ち込みました。
前年同期比では、2022年8月の不動産ローン申込は66.1%増加しましたが、2021年8月の低いベース効果によるものです。
MIDFリサーチによると、不動産購入のために承認されたローンは、総額233億リンギット(約7,296億円)で、前月比では2.4%増とわずかに増加しました。2022年7月は前月比9.0%でしたが、主にローンの申込数が多かったことが原因ということです。
前年同月比では、8月の不動産ローン承認数は、93%増となりましたが、2021年8月が少なかったことによるベース効果と、ローン承認率が前年同月の37.5%から43.6%に改善したことが挙げられています。
MIDFリサーチ社は、全体として承認されたローン数が増えたのは、不動産デベロッパーの新築不動産販売がわずかに回復してきているという同社の予測ともイメージがあっていると述べています。
国家不動産情報センター(NAPIC)のデータによると、竣工後も買い手のつかない「オーバーハング」状態のレジデンシャル物件は、2022年1月~3月の35,592戸から、4月~6月は減少して34,092戸となりました。
MIDFリサーチは、「オーバーハング状態のレジデンシャルは、減少傾向を見せているものの、不動産市場は、レジデンシャル不動産のオーバーハング状態のユニットが第2四半期も3万戸以上を維持したことから、部分的に圧力を受けるだろう」と述べています。
したがって、MIDFリサーチは、マレーシア不動産セクターの格付けを「ニュートラル」に据え置きました。特に、マーシングループが1株当たりの目標価格は0.74リンギットと、IOIプロパティーズは1株当たりの目標価格が1.29リンギットと、「バイ(buy)」の評価を維持しています。
(出所:Bernama)
(画像:UnsplashのScott Grahamが撮影した写真)
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