2021/10/05
各国がワクチン接種を加速させるにつれて、世界経済は2021年後半期から来年にかけて回復すると見込まれており、それにともなって、マレーシア経済も、2022年に立ち直りを見せると予想されています。
第2回金融政策委員会(Fiscal Policy Committee)で、財務省は、継続実施している財政・金融刺激策もまたマレーシア経済の成長を助けると述べています。マレーシアの今年の経済成長率について、国際通貨基金(IMF)は6.0%、世界銀行は5.8%と予測しています。
「小さく開かれた経済として、マレーシアの回復は、世界経済、特に主要な貿易相手国の回復に大きく依存しています。」
イスマイル・サブリ・ヤーコブ首相が議長を努めるこの委員会の開催は今年2回目で、マレーシアの現在の経済状況および財政状況、中期財政予測、政府の負債ポジションについて議論がされました。
委員会のメンバーとなっているのは、財務大臣、首相府(経済担当)大臣、政府官房長官、財務省の事務総長、経済企画ユニットの長官、マレーシア中央銀行総裁です。
財務省は、国家回復計画(National Recovery Plan)にしたがって、店内飲食や観光といった社会活動を含む、各業種の再開がシステマチックに進められていることに支えられて、マレーシア経済が近い将来回復する見通しは順調そうだと述べています。
「さらに、複数の景気刺激・支援パッケージをタイムリーに実施したことで、景気回復に推進力が加わりました。そのことは、月度の国民総生産(GDP)成長率の力強い立ち直りなど、経済指標の改善からも見て取れます。」
月度のGDP成長率は、2020年4月の28.8%減から、2021年4月、5月はそれぞれ、40.1%、19.8%となりました。
2021年6月のGDP成長率は、5月中旬から開始した活動制限令(MCO)と、6月初旬のNPR第1フェーズの影響で4.4%減となっています。
景気の改善は、労働市場の回復にも支えられています。2020年5月には5.3%であった失業率は、2021年7月には4.8%まで改善し、2021年7月には、製造業の売上も0.6%増改善して1,198億リンギットとなりました。
対外貿易も拡大し、2021年8月、輸出は18.4%増の956億リンギット、輸入も12.5%改善して742億リンギットとなりました。
主要インデックスも、2020年4月の6.0%下落から改善して、2021年7月には0.5%上昇しており、近い将来には徐々に経済が回復し、2022年には経済予測も改善することを示しています。
(出所:Bernama)
(画像:Image by Graham OHare from Pixabay)
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