[マレーシア] 国内のオーバーハング状況改善、ただし依然として数は多い

2022/09/20


2022年前半期、マレーシアのオーバーハング状況は全体として改善しました。2021年後半期と比較して、数では7.5%減の34,092戸に、総額では4.6%減の217.3億リンギット(約6,827億円)となりました。



国家不動産情報センター(NAPIC)の半期レポートによると、オーバーハング状態のサービスアパートは、2022年前半期に22,000戸、193.2億リンギットで、2021年後半期から数では6.7%減少しました。



オーバーハング状態のユニット全体のうち、約89%は価格が50万リンギット以上の物件です。NAPICのデータによると、ジョホールが最も多く、15423戸がオーバーハング状態でした。続いてペナンが5,000戸超、そしてクアラルンプールとスランゴールがそれぞれ4,279戸と2,248戸となっています。



ミスマッチを最小化し、オーバーハング状況を近い将来に制御できるようにしていくには、不動産デベロッパーも当局も、データに基づいてバイヤーの需要や購入しやすさに合った住宅を建設していくことが求められています。



一方で、2022年6月末時点で、2,400万平米の専用オフィススペースが国内には存在しており、稼働率は77.7%と前年の78.5%から下落しました。


オフィス専用スペースとショッピングセンターの供給は徐々に厳しくなっています。ビルのオーナーには、スペースの活用が最大化され、投資の可能性があることを見せる画を描くために、費用対効果の高い利用の方法を検討していくことが求められています。



NAPICのデータでは、2022年前半期、ショッピングセンターの稼働率は全体で、2021年後半期の76.37%から75.7%に微減しました。

 


全体として、2022年前半期の国内の不動産市場の取引数は188,000件で、総額は840億リンギットとなりました。取引数も取引額も、前年同期比では30%超の増加となりました。取引数・取引額の増加は、レジデンシャル、商業、工業、農業、開発用地とすべてのセグメントで増加しました。


特に、レジデンシャル取引は116,178件で、総額は456.2億リンギットでした。前年同期比では、取引数が26.3%増、取引額は32.2%増でした。ペナン、クアラルンプール、ジョホール、スランゴールが、全体の取引のうちの47%を占めました。



新規発売物件では、ジョホールが国内全体のユニット数の23.8%に相当する2,509戸、販売率は31.8%でした。ジョホールに続くのはサバ(1,335戸/12.7%、販売率10.6%)、ペラ(1,317戸/12.5%、販売率19.4%)です。テラスハウスが、新規物件の大部分を占め、全体の68.2%、販売率は22%でした。




(出所:New Straits Times

(画像:Image by carlosgvila from Pixabay)