[マレーシア] ペナンの不動産市場、ついに過熱収まるか

マレーシアで最も高級な不動産のひとつとされてきたペナンの物件の過熱がようやく収まりつつあるようです。

[マレーシア] ペナンの不動産市場、ついに過熱が収まるか


当局による過熱抑制策にもかかわらず、何年にも渡って価格が上昇し続け、ペナンの不動産市場はマレーシア国内で最も高級な市場の一つとして知られています。
しかし最近、不動産価格の安定化の兆しが見えており、ペナン州は不動産オーバーハング(過剰状態)を報告しています。

2014年以来、ペナン州政府はアフォーダブルな住宅プロジェクト開発に乗り出し、不動産価格をコントロールしようとさまざまな策を打ち出してきました。

ペナンの中でも、ガーニードライブ、タンジョン・トコン、バトゥ・フェリンギが一等地と考えられており、それらのエリアの物件は、ほとんどが平方フィートあたり800リンギット(約21,500円)を超えており、地元の人には手が出ません。

▼ペナン一等地ロケーション(Google Mapsより作成)

ペナンの不動産価格の上昇に貢献した要素としては、投機、島内の土地不足、建設資材のコスト高、リンギット安を背景にした外国人バイヤーの流入などがあげられます。

州住宅・街・国づくりおよび地方政府委員会の会長ジャグディープ・シン・デオ氏は、2014年以来州政府は、2008年以降急騰した不動産価格を抑制しようとさまざまな対策を講じてきたと述べました。

「市場の過熱を抑える対策が必要です。実際、2008年から2016年で、ペナンの不動産価格は平均して80%上昇しました。」と国営ベルナマ通信に対して、インタビューの中で発言しています。

州政府によって講じられた過熱抑制策の中に、住宅販売のモラトリアム(一時禁止)があります。低コストおよび低~中コストの住宅については、モラトリアムは10年で、オーナーはユニットの販売を購入から10年以内に販売することができません。

300,000リンギット(約800万円)以下のアフォーダブル住宅の販売に対するモラトリアムは5年です。高額住宅ついては、バイヤーは購入から3年以内に住宅を転売することはできません。これに違反すると、投機的販売とみなされ、2%の承認料を支払わなければならなくなります。

「外国人バイヤーに対して、州政府はいくつかの条件を設けました。たとえば、ペナン島では、300万リンギット(約8,000万円)未満の土地付き物件および100万リンギット(約2,700万円)未満の高層レジデンシャルユニットを購入することはできません。本土では、100万リンギット(約2,700万円)未満の土地付き物件および50万リンギット(約1,300万円)未満の高層レジデンシャルユニットは購入きないことになっています。」

「これに加えて、外国人バイヤーには3%の承認料が課されます。」とジャグディープ・シン氏は説明しています。


ジャグディープ・シン氏によると、2008年以来、ペナン州政府および民間のデベロッパーは28,950ユニットの低コストおよび低~中コストユニット、および300,000リンギット(約800万円)未満のアフォーダブルユニットを建設したといいます。

これらのプロジェクトは、ペナンの5つの行政区分をカバーしており、これら3つのカテゴリーの住宅さらに22,065ユニットが建設中、加えて州政府は同様のユニット32,212ユニットの建設の承認したとのことです。

州政府のさまざまな過熱抑制策の甲斐あって、ペナンの不動産価格に安定化の兆しが見えてきました。

しかし、当局およびデベロッパーは別の問題に直面しています。それは、不動産オーバーハング、すなわち建築物使用許可(Certificate of Completion and Compliance:CCC)を取得して建設済みの物件が売れ残っている状態です。

国立不動産情報センター(National Property Information Centre、NAPIC)によると、2017年、ペナンはマレーシア全土で最大のオーバーハング4,903ユニットを抱えました。州住宅・街・国づくりおよび地方政府委員会による調査で、これらのオーバーハング4,903ユニットのうち、2,600ユニットが500,000リンギット(約1,300万円)超のものであったことがわかっています。

不動産・住宅デベロッパー協会のペナン支部会長ダトゥック・トー・チン・レオンは、過去数年、不動産市場が低迷したことによるもので、オーバーハング自体は懸念すべき兆しではないと述べています。

ダトゥック・トー・チン・レオンは、2018年9月1日に実施された売上・サービス税(SST)*を受けて住宅価格が少なくとも10%は下落するため、不動産市場は来年もしくは再来年には回復するとして楽観的です。

不動産市場に与えるSSTの影響が見られるのは来年、住宅バイヤーがそのポジティブな影響を実感してからになるだろう、とも付け加えました。

ダトゥック・クラマットの州議員でもあるジャグディープ・シン氏はまた、住宅・地方政府省は現在、2018年5月9日の第14回総選挙後の政権交代に続き、住宅プログラムの再構築をしているとも説明しました。

彼はまた、住宅・州政府大臣ズライダ・カマルディンとの会合で、カマルディン大臣は住宅案件でペナンを無視することはないと断言したとも述べました。


2008年以来、国民戦線(Barisan Nasional)政権は、人民住宅プロジェクト(People's Housing Project (PPR))、1マレーシア・人民住宅スキーム(1Malaysia People's Housing Scheme (PR1MA) )、1マレーシア・公務員住宅プロジェクト(1Malaysia Civil Servants Housing Project (PPA1M) )といった政府の住宅プログラムをひとつもペナンで実施しませんでした。

しかし、ジャグディープ・シン氏は、カマルディン大臣との会合の中で、複数の異なる省庁によって運営されている様々な公営住宅プログラムを住宅・地方政府省の参加にまとめてより効率的なモニタリングを行う計画があると言われたと話しています。

「まだ本件は検討中の段階で、正式に決まり次第大臣から発表があるだろう」とジャグディープ・シン氏は話しています。また、ジェルトンにある、それぞれ1.6ヘクタールの2区画の土地が、PPRプロジェクトの対象として認められたと付け加えました。一方で、3,000ユニットを含むPR1MAプロジェクトが、ジャラン・ブキット・ガンビールのカンプン・カスタムで承認されています。

▼ジェルトンおよびカンプン・カスタム(Google Mapsより作成)

(出所:Daily Express