2023/02/14
2022年の国内総生産(GDP)成長率が8.7%と好調だったのは、国民経済に対する消費者、企業、投資家の信頼が回復したことを示していると、財務大臣を兼任するアンワール・イブラヒム首相は述べています。
マレーシア経済は、2022年のGDPが8.7%を記録し、2022年10月に発表された予測値6.5%〜7%を上回りました。また、2021年に達成した経済成長率3.1%の3.1%も大きく上回っています。
アンワール首相によると、2022年の8.7%成長の達成は、民間支出と投資の回復、失業率の低下、リンギット高など、2022年第4四半期の経済パフォーマンスの高さに支えられています。
「これは、国民経済における消費者、企業、投資家の信頼感の回復を明確に示している 」と、2023年2月10日(金)夜、財務省(MOF)を通じて声明を発表しました。
首相は、2022年第4四半期に力強いパフォーマンスを示した経済指標として、より良い労働市場の見通しとポジティブを保った景況感に支えられ、民間消費が内需をけん引し続けた、と述べました。労働市場は高い雇用水準を維持しており、失業率は2022年第3四半期の3.7%から第4四半期には3.6%に低下しました。
リンギット高傾向
アンワール首相は、リンギットが米ドルに対して5.3%強くなり、マレーシアの主要貿易相手国の通貨に対しても強くなっているとも述べました。外国直接投資(FDI)は2022年第3四半期の123億リンギットから第4四半期には193億リンギットに増加、対外貿易も総輸出が11.8%と総輸入は18.7%増加し、総貿易額は14.8%増の7,187億リンギットとなりました。
しかし、国際通貨基金(IMF)と世界銀行による最新の世界経済見通しでは、世界経済の成長率は2022年の3.4%から2023年には2.9%に低下すると推定されており、マレーシアのGDP成長率は2023年に緩やかになると予想されています。
「世界的な経済環境がますます厳しくなる中、2023年予算は、国民の幸福のために2022年に達成した成長の勢いを継続すべく、経済成長だけでなく民間部門の信頼を支え続けるための政府戦略の概要を説明する形となっている。」と付け加えました。
マレーシア統計局は、金曜日にマレーシアの経済実績を発表した際、8.7%という数字は過去22年間で最高の年間成長率を記録し、これはすべてのセクターにおける改善によって貢献したと述べた。
▼年間GDP成長率の推移(出所:Department of Statististics Malaysia)
マレーシア中央銀行は別の声明で、刺激策および低ベース効果によるサポートが弱まったことで、マレーシアのGDPは2022年第3四半期の14.2%に対し、第4四半期は7%成長したと述べています。
▼四半期ごとのGDP成長率の推移(出所:Department of Statististics Malaysia)
(出所:The Edge Markets)
(画像:UnsplashのIshan @seefromtheskyが撮影した写真)
もっと詳しく知りたい方はこちら