2022/02/10
マレーシア最大の不動産コンサルティング会社のひとつ、ラヒム&コーのリサーチ担当ダイレクター、スレイマン・アクマディ氏は、Covid-19パンデミックに加えて、投資家の信頼感や収入の確保に影響を与えうる第15回総選挙による不確定性の残る環境を背景に、不動産市場の回復には今後12か月かかるだろうと述べています。
「不動産のオーバーハング問題や、所得レベルに対する値ごろ感といった対応すべき問題が、パンデミック前から解決されずに残っています。」
「国内の政策が明らかになってきたら、今年末か来年初には市場が改善してもおかしくないでしょう。」
スレイマン氏は、今後2年間くらいは不動産市場は大きな上昇は見せず、それ以降5%程度の長期的な成長トレンドに乗ってくるだろうと予想しています。
「人々が20%のリターンでフリップしていたような2桁成長の日々は遠い昔です。そんなことが起こるようになるには、市場が上向きになる次のタイミングを待たねばならないでしょう。」
同社のシヴァ・シャンカーCEOもこの見方に同意しています。
シャンカー氏は、今年市場が成長しプラスの領域に入るものの、現実的には、2022年の成長幅は小さいだろうと予想しています。
「まだなだらかな曲線ですが、マイナスのカーブよりはましです。コロナ禍でこの2年間の状況はかなり悪かったので、すぐには回復しないでしょう。段階的な回復になるでしょう。」
しかし、2023年、2024年については、市場の急上昇を予想しています。
シヴァ氏は、デベロッパー各社が土地の取得を積極的に進めてきているので、成長の明らかな兆しがあると述べています。
「市場が落ち込んで、回復しかけている時にはいつも、デベロッパー各社は土地の取得に走るのです。」と、幾度となく見てきたトレンドだと話しています。
ラヒム&コー・リサーチの年次報告「不動産マーケットレビュー2021/2022」によると、2021年前半期、620.1億リンギット相当の取引139,754件があり、対前年同期で、取引数は21%、取引額は32.1%増加しました。
報告では、この増加の理由に、繰延需要の効果と前四半期までの取引の認可関連の遅れ、マレーシア中央銀行の緩和的な政策に支えられたことが挙げられています。
しかし、続く2021年第3四半期は、完全活動制限令が発令されてつまずき、2021年1月~9月期の累計の実績は全体として抑えめの、取引件数201,065件、980億リンギット相当となりました。対前年同期で取引件数1.8%減でしたが、取引額は21.4%増となりました。
(出所:The Sun Daily)
(画像:Photo by Mohd Jon Ramlan on Unsplash )
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