[マレーシア] 2020年不動産市場のパフォーマンス9.9%落ちる

2021年4月に、評価・不動産サービス局が発表したところによると、マレーシアの不動産市場のパフォーマンスは2020年大きく下がり、取引件数は9.9%、取引額は15.8%減少しました。

[マレーシア] 2020年不動産市場のパフォーマンス9.9%落ちる


2021年4月、評価・不動産サービス局が発表したところによると、マレーシアの不動産市場のパフォーマンスは2020年大きく下がり、取引件数は9.9%、取引額は15.8%減少しました。


▼取引件数と取引額の推移(出所:NAPIC



同局の2020年年次レポートでは、295,958件、1,198億リンギット(約3.2兆円)の取引があったと報告されています。


レジデンシャル不動産市場では、191,350件、658.6億リンギット(約1.7兆円)の取引がありました。これは、取引件数で8.6%減、取引額では9%減でした。一方で、商業不動産市場では、20,255件、195.3億リンギット(約5,160億円)の取引があり、取引件数21%減、取引額32.6%減でした。


レジデンシャル、商業不動産両方で、最も貢献したのはスランゴールでした。


レジデンシャル市場では、プライマリー市場には新規販売がほとんどなく、2019年に販売開始した60,000戸と比較して、たったの47,178戸でした。


低迷した不動産市場と、慎重な購入者心理により、販売率は28.7%と控えめだったようです。


しかし、レジデンシャル物件のオーバーハングについては改善を見せています。レポートでは、2019年と比較して件数では3.6%減となりましたが、価格では0.5%増となっています。


2020年、建設中かつ売れ残りのレジデンシャルユニット数は1.3%減少し、建設前かつ売れ残りのユニット数は22.6%減少しました。


住宅価格については、マレーシア住宅価格インデックス(Malaysian House Price Index)は2020年199.3ポイントで、上昇率たった0.6%と、2010年以来最も低い年間成長率となりました。クアラルンプール(-1%)、スランゴール(-0.7%)、ペナン(-0.1%)、サバ(-1.3%)を除いては、すべての州で年間成長率プラスを記録しました。

▼マレーシア住宅価格インデックスおよび上昇率(出所:NAPIC


商業不動産については、サービスアパートメントの商業不動産オーバーハングが増加し、2020年不動産オーバーハングの多くを占めました。


レポートでは、2020年のオーバーハングのサービスアパートメントは23,606戸、207.6億リンギット(約5,475億円)で、2019年から件数では37.7%、金額では38%増加しました。


建設中で売れ残りの商業ユニットは、35,258戸(+4.2%)に増え、建設前で売れ残りの商業ユニットは8,153戸(+6.4%)でした。


一方で、ショッピングコンプレックスについては、市場が軟化し、平均稼働率は77.5%でした(2019年は79.2%)。


クアラルンプールとスランゴールの稼働率がそれぞれ82%、80%だった一方で、ジョホールとペナンの稼働率はそれぞれ74.9%、72.8%と伸び悩みました。


2020年に完成したショッピングコンプレックスは13軒(合計40万㎡弱)で、さらに42軒(181万平米)が建設中、12軒(51万平米)が計画段階です。


オフィスについては、2019年の稼働率80.6%から、2020年は80.2%となりました。


2020年に完成したオフィスビルは11棟、さらに50棟が建設中、13棟が計画段階です。


評価・不動産サービス局は、マレーシアの経済・金融見通し次第で、2021年も不動産市場は慎重な姿勢が続くと見込んでいます。


レポートでは、「2020年のPrihatin Rakyat景気刺激パッケージと短期景気回復計画ならびに2021年予算のもと導入されたインセンティブが引き続き不動産市場を支えていくだろう」と述べられています。


同局はまた、Covid-19ワクチン展開により、景況感、消費者マインド、そして経済が刺激され、不動産市場も年後半には緩やかに増加してくることを期待しています。


テンク・ザフルル・アジズ財務相は、今後不動産市場のパフォーマンスは経済状況と連動して回復してくる予想だと述べています。


「財務省では、2022年予算の草案作成に取り掛かっており、あらゆる面に注意を払って検討していきます。

短期的、長期的に、政府は経済を再編し、第12回マレーシア計画および2030共通繁栄ビジョン(the shared prosperity vision)を通じて、国民全体の着実な成長を確実にしていきます。これには、(所得水準)B40、M40のカテゴリーに含まれる人々のための良質な住宅の供給も含まれています。」


(出所:Free Malaysia Today

(画像:Photo by Alex Block on Unsplash )