2021/12/15
総合不動産コンサルタント会社ナイト・フランク・マレーシアの副マネージングダイレクター、キース・オーイ氏は、ほとんど全ての建物区分において建築資材のコストが上がっているので、来年の不動産価格は上昇が見込まれている、不動産購入予定者は今が買い時だろうと述べています。
オーイ氏は、上昇する資材価格は、販売価格にトリクルダウン効果を与えるだろうと考えています。
「資材または建設コストの上昇は、いずれ販売価格に影響してくるでしょう。デベロッパーは、そのコストを、何らかの方法でそれぞれの消費者やバイヤーに乗せてくるからです。」
オーイ氏は、価値や需要の変動もまた、プライマリー市場、セカンダリー市場の反応を呼び起こしそうでだと話しています。
「ここから読み取れるのは、コストの上昇によって、今後価格も徐々に上がってくることが予想されます。」
マレーシア統計局(DoSM)のデータによると、マレー半島の建物建築資材コストインデックスは、2021年10月、棒鋼ありおよび棒鋼なしで、0.1~2.3%上昇しました。
セメント、鋼、鉄といった建物資材の価格上昇の背景には、世界的な石炭および石油製品の価格上昇があります。
政府による2021年6月の活動制限令および国家回復計画の4つのフェーズの実施により、建設工事が再開した後、建築資材の価格は上がりました。政府が、建設関連の活動の再開を認めたのは10月22日です。
オーイ氏は、建築資材の上昇やコロナウイルスの新しい変異種にもかかわらず、2022年は、見込み住宅購入者や投資家からの繰延需要もあって、2021年を上回るだろうと考えています。
オーイ氏は、住宅購入のベストタイミングは、市場が底を打つ時だが、投資家に対しては、市場に参入する前に財務状況を再検討するようにアドバイスしています。
「そうですね、今が買い時でしょう。デベロッパー各社が様々なキャンペーンを出していますし、過去最低レベルの低金利ですから。この機に購入するのが良いでしょう。単に購入することを目的にして購入してはいけません。投資家として、過度に借り入れに頼ってはなりません。不況のときの思わぬ危険というのは、なかなか克服できないものです。」
オーイ氏は、住宅購入の際には、短期的ではなく長期的な見方で検討をすべきだと述べています。
「10年とか長期的な見方をすれば、物件価格は倍にだってなりうるでしょう。不動産は、なんといってもロケーションが物を言います。10年前に適切な場所に投資をしていれば、価格は少なくとも2倍になっているだろうと確信しています。」
(出所:New Straits Times)
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