2023/01/26
マレーシアの中央銀行(BNM)は2023年1月19日、予想外に基準金利を据え置き、昨年4回連続で利上げを行った後の経済成長に対する懸念を示唆しました。
マレーシア中央銀行は、今回の決定で、翌日物政策金利を2.75%に据え置きました。ロイターが調査した27人のエコノミストのうち、1人を除いて全員が、同銀行が金利を3%に引き上げると予想していました。
マレーシア中銀は声明で、「本日の決定により、金融政策が経済に及ぼすラグ効果を考慮し、金融政策委員会は過去に行ったオーバーナイト政策金利(OPR)調整の累積の影響を評価することができる。」と述べました。
今後の金融政策の動きは、国内のインフレと成長見通しの双方に依存することになります。
中央銀行は、地政学的緊張、先進国の成長鈍化、金融市場の急激な引き締めなど、経済に対する下振れリスクを指摘しました。ヘッドラインインフレはピークに達したといいます。
中央銀行はインフレ抑制のため、昨年5月以降、歴史的な低金利の1.75%から合計100ベーシスポイントの引き上げを行いました。
オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)のアジア調査部長クーン・ゴー氏は、「BNMの動きは、先進国経済の減速に起因する成長の下振れリスクを、彼らが目下懸念していることを示唆している」と述べています。
マレーシア経済は、パンデミックによる低迷から力強く回復したが、世界的な景気後退の中で、今年は減速すると予想されています。
▶四半期ごとのGPDと成長率の推移(出所:マレーシア統計局)
中央銀行は、2022年の成長率は政府の予想6.5%〜7%を上回る可能性が高いが、今年は4%〜5%に落ち込むだろうと述べています。
英系経済調査会社キャピタル・エコノミクスは、マレーシア中央銀行が年内は金利を据え置き、2024年に金利引き下げを開始すると予想している、と述べています。
キャピタル・エコノミクスのアジア新興国エコノミスト、シバン・タンドン氏は「成長が鈍化し、インフレ圧力が緩和される中、今日の据え置きは引き締めサイクルの一時停止というより、むしろ終了を意味すると考えている」と述べました。
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(出所:Reuters)
(画像:UnsplashのSaif Zamanが撮影した写真)
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