[マレーシア] ムヒディン首相、追加の景気刺激策1,500億リンギットを発表

2021/07/12

[マレーシア] ムヒディン首相、追加の景気刺激策1,500億リンギットを発表


マレーシアのムヒディン・ヤシン首相は、2021年6月28日、引き続き行っているロックダウンの影響を軽減すべく、1,500億リンギット(約3.9兆円)相当の新しい景気刺激策を発表しました。


テレビ放映された国民向けの演説の中で、ムヒディン首相は、「人民の保護と経済回復パッケージ(people protection and economic recovery package (Pemulih))」と名づけられた今回の景気刺激策の目的は、Covid-19による経済的な困難に人々が対処できるようにすることだと述べました。


「今回の財政パッケージが、人々が今後生活していく助けになればと考えています。Covid-19パンデミックとの戦いを1年以上も続け、多くの人がひどく影響を受けているのを認識しています。」


「何百万というマレーシア人が2020年3月以降、政府からの経済的な支援を受けてきましたが、パンデミックが続く限り、そのような支援は延長されなくてはならないことを理解しています。」


ムヒディン首相によると、46億リンギット(約1,209億円)は特別Covid-19支援スキーム(BKC)として1,100万人、特に高齢者と未婚者の支援に割り当てられるということです。


これには、B40(下位層40%)およびM40(中間層40%)のカテゴリーの人が含まれており、250リンギット(6,600円弱)から1,300リンギット(34,200円弱)を受け取ることができます。


さらに、5億リンギット(約131億円)はパンデミックの結果、収入源を失った人々のために使われます。このスキームに基づいて、約100万人の国民が各500リンギット(約13,200円)受け取ることができるようです。


ユーティリティ料金の支払の補助として、政府は、月あたり900キロワットアワーを上限として、7月から3か月間、各家庭に対して電気料金を5~40%割り引くことにしています。


中小企業向けには、特別Prehatin助成金のもと、追加の支払をすることで政府が合意しています。対象の企業は、9月に500リンギット(約13,200円)、11月に500リンギット受け取ることができます。


ムヒディン首相は、このスキームによって、理容室、作業所、ベーカリーやヘルスケアセターといった、およそ100万社の中小企業のキャッシュフロー改善を助けることができるだろうと述べています。



個人・事業主向けの融資支払猶予


Pemulihパッケージのもと、B40、M40、T20(上位20%)のグループの個人および事業主は、銀行融資の支払が自動的に6か月間猶予されます。


前回のスキームと異なり、融資の支払猶予を申し込む人々が、パンデミックのせいで所得や職を失ったことを証明するものを見せるなどの条件を満たさなくても良いようです。

 

「今回の支払猶予が、この厳しい時期に、個人借主や中小企業がキャッシュフローの問題に対処する助けになればと思います。しかし、これは緊急用の最終手段として、新たな借り入れなどをしないようにすることをお勧めします。」


今回の景気刺激策の前に、政府は合計7回の景気刺激策3,800億リンギット相当を展開しています。


ムヒディン首相は前日の6月27日、Covid-19感染拡大を抑え込むために、全国で実施されていたロックダウンのフェーズ1を延長することを発表しています。


フェーズ1は6月28日に終了予定でしたが、日当たりの感染者数が4,000以下にならなかったとして、制限措置の緩和を見送る決断をしました。


ムヒディン首相は、レポーターに対して、低所得世帯ならびにパンデミックの影響を受けた中小企業に対して、より包括的な経済的援助を行っていく考えであるとも述べています。


6月27日、イスマイル・サブリ上級大臣は、活動制限令(MCO)のフェーズ1は、3つの基準値が達成されるまではこのままだと発表しました。


これらの基準値とは、日当たりのCovid-19感染者数が4,000以下になること、集中治療室の病床使用率が適度なレベルになること、人口の10%がCovid-19ワクチンの2回接種を終えていることです。


イスマイル・サブリ上級大臣は、保健省が行ったリスク評価に基づいて、政府がフェーズ1を維持する方向で決定したと述べています。


6月28日の時点で、マレーシアの新規感染者数は5,218人で、国全体では735,000件以上です。死者は4,900人を超えました。


(出所:Channel News Asia

(画像:Image by Engin Akyurt from Pixabay )