[マレーシア] 2022年予算:長期保有不動産の譲渡益税撤廃

2022/02/18


2022年予算のもと、マレーシア国民および永住権保持者は、6年以上保有するレジデンシャル不動産の売却時にかかる不動産譲渡益税(Real Property Gains Tax(RPGT))が免税になります。




RPGTとは?

不動産が売却され、売主がその売却から益を得た時に課されるキャピタルゲイン税です。マレーシア人、永住権保持者、外国人、法人すべてに課されます。マレーシア内国歳入庁の管轄で、1976年に発表されました。




1976年 RPGT法に基づく免除

マレーシア人および永住権保持者がレジデンシャル不動産を初めて処分する時、家族内での売却、10,000リンギットまたは課税対象所得の10%のいずれか大きい方を控除。




RPGTの計算方法

総課税対象益=売却価格 - 取得価格
正味課税対象益=総課税対象益 - RPGT控除額 - その他費用(弁護士費用、販売委託料など)
支払RPGT=正味課税対象益 x RPGT税率(保有期間に応じて決定)



RPGT税率

2021年12月31日に官報に掲載された2021年財政法(Finance Act 2021)によると、個人が6年以上保有した物件の処分にかかるRPGTが撤廃となります。2022年1月より施行されます。






取得者(バイヤー)による源泉徴収

購入対価の全部または一部が現金のとき、物件の取得者は、現金対価全体のうち以下の割合に相当する部分か現金対価全体のいずれか低い方を源泉徴収として、内国歳入庁に納めることが求められています。





6年以上保有した物件の売却にかかるRPGTが撤廃されたことで、不動産保有者に保有物件のアップグレードを図るきっかけを与えることになりそうです。長期間不動産を保有していたことでインフレ分にペナルティのように課税するのは不当だとの見方もあり、このRPGT撤廃は広く歓迎されているようです。

 

 

(出所:The Sunday, MondaqPWCInland Revenue Board of Malaysia

(画像:Photo by CK Yeo on Unsplash